軽トラに乗る女
信号が赤から青へとかわると

車の列は動きだし

自然と自分も職場の方へと

車のアクセルを踏み込む。

バクバクと心臓の音が胸から喉へ、

喉から耳の鼓膜へ伝わってくる。

うん大丈夫だ、

4回たたいた。

毎日のことだから

絶対忘れないはずだ。

変に熱い汗をかき始めた自分に

無理に言い聞かす。

でも・・・

あいまいな感覚が

そんな事では許さない。

「ああああああああああーーー

もぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

俺は対向車と後続車を見計らって

ユーターンをして

職場とは反対の自分のアパートに

むけて全力逆走した。

職場へひきよせられる人々を

逆行して猛スピードで

自分のアパートに戻る。

走った訳でもないのに

体中汗だらけでアパートに戻った自分は

靴箱をゆっくり見据えた。

深呼吸をしてヨガ体勢にはいり、

気を集中させた・・・。
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