夜、街を歩くデストルドー
僕は、少年と夜道を歩いていた。
「ほら、お腹が空いただろ?」
と、僕は、少年に菓子パンを渡した。
「ありがとう」
少年は、言った。
「今夜は、ここで寝よう」
「うん」
二時間ほど、時間が過ぎた。
僕たちは、倉庫の中で眠っていた。
「君は包囲されている。人質を解放して出てきなさい」
突然のその声に二人は、目が覚めた。
その声は、警察だった。辺りは、騒然としていた。
「行くよ」
僕は、言った。
「うん」
少年も、頷いた。
僕は、倉庫の扉を開いた。
「僕の後ろへ隠れろ!!」
僕は、少年に言った。
―――バン!バン!バン!
夜の静けさに、銃声が、響き渡った。
僕は、気が付くと血を流して倒れていた。
「お母さん。あの人、悪い人?」
少年は、自分のお母さんの所に駆け寄って、
そう言った。
「そうよ。悪い人よ」
僕は、倒れながら玩具の拳銃を手離して、
胸のロケットペンダントを見た。
そこには、笑顔の女性の写真が、埋め込まれていた。
♪♪♪END♪♪♪