引越し先は○○です

ケンカ?

 私がSクラスに入ったということは、あっという間に広がってしまったみたいだ


 そのおかげで、廊下を歩くと


「ぁ、ねぇ?あの子でしょ?ほら、Sクラスの…」

  「あぁ、知ってる、たくみ様達を独り占めしてる」




ヒソヒソと悪口を叩かれるのだ


 たくみくんは、顔が良くて頭も良くて、運動神経も抜群という



パーフェクトマンということで、大人気なのだ



 けど、一つだけ心の救いがある










それは、
Sクラスのみんなと仲良くなったことだ


 天使みたいにかわいい子が

   天宮 天空(あまみや てんく)

 ちょっと怖そうだった人が

   地宮 地空(ちみや ちく)

 プリンススマイルを浮かべてた人が

   華原 大河(かはら たいが)

 ずっと本を読んでた人が

   来栖 柊(くるす しゅう)


     という名前らしい



 私が転校してきた初日の休み時間、名前も教えて貰えず……
  目の前でケンカされていた時


 来栖さんが「名前を名乗ったらどうですか?」と、みんなに言ってくれたのだ

 その時まで、あまりこっちも見ず、黙々と本を読んでいたので、失礼ながら存在を忘れていたから、めちゃくちゃびっくりした


 まぁ、それから

 たくみくんと天空くんと地空くんと大河くんとは、話せるようになった


 けど、来栖さんとは、あんまり話せてない












 「おい、お前……こっち来い」
 急に、体格の良い男の人が3人目の前に現れたかと思うと、そんなことを言った

 知らない人には着いていくなって言われているし……

 そう、うじうじと悩んでいると

その男の人が
 「おい!!聞いてんのか!?さっさととこい!」

そう言って、私の手を掴んできた


 え、ちょっとまってっ……!!


……助けて!!

パシッ、、、

 肌が弾ける音がした

 うぅ、今度は何

「女の人相手に、何してるんですか?」

あれ?この声……

不思議に思い、上を見あげると、そこに居たのは






 来栖 柊さんだった


え、でも、なんで

助けてくれたのかな?

「さっさとあっち言ってください」

「は、ハイっ!!」

   来栖さんが、もう一度言うと、怖そうな男の人たち3人がみんな逃げていった

と、とりあえずお礼言わないと

「あ、あの……助けてくれて、ありがとうございました!!」

そう言って、頭を深く下げた


そうすると、来栖さんは何故か目を大きく見開いていた

   ……なんでだろう

「あなたのこと、誤解していました。すみませんでした」




……え
 なんでこの人に謝れてるんだろう

「謝らないでください……」

来栖さんは、首を横に振る

「いいえ、あなたのことを外見で判断してしまいました。すみません」


あ、顔が気持ち悪すぎて、嫌われてたんだね




 まぁ、仕方ない……

 この顔じゃね
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