少女と過保護ーズ!!続
そのあまりの不快さにパニクってたのも忘れ、眉間にシワを寄せる。


「手当てして、痛み止めまで打ってあげ、服も着替えさせて、ゲロにまみれたベッドも掃除してあげたのに、何?その態度」


「へ?」



この人が?


あたしを?


……なんで?



アイツじゃない?



「仕事中だってのに、優に呼ばれて来てみれば、なんとも悲惨でみすぼらしいあなたが倒れてるじゃない」



……。


悲惨はわかるけど。


みすぼらしいはいらなくない?



明らかに敵意丸出しだ。


あたし、この人と初対面だよね?



「看れば指は腫れ上がり、そのせいで熱が出てるし」



大変だったのよ!!とプリプリ怒る女の人。


今、熱も下がり痛みがないのは、この人が痛み止めと解熱剤を打ってくれたおかげらしい。



注射で……。



って、ヤバいんじゃ…



「医者だから」


「へ?」


「あたし、医者なの。内科の」



どうやら、またしてもあたしは口に出していたらしい。


医者か…。


なら大丈夫だ。



「すみませんでした。ありがとうございます。助かりました」



頭を下げる。


しかし……。



「あの、あなたは?」



最初にも聞いたが、一人色々思い出したりしてて、結局聞いてなかった。



「あたし?あたしは…」
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