少女と過保護ーズ!!続
女の人の真っ赤な唇が上に向かって弧を描く。



薄暗い部屋の中で、ソレは不気味だった。


てか、さっきの部屋とは別の部屋?



クルリと部屋を見回して改めて、女の人をしっかり見る。



茶色い髪は後ろの高い位置でお団子に。


上にだけ赤い縁のある眼鏡をかけていて目の奥は見えない。


真っ赤な口紅が塗られた唇。



よく見れば白衣を着てる。

その下は体のラインがくっきりとわかる、ピッタリとしたハイネックのセーターに真っ赤なミニスカート。



しかしこのツンとした気の強そうな感じとか…誰かに似てる…。


えっと…。



ハッ!!

教育ママだっ!!

いつかテレビで見た、教育ママにそっくりだよ!!


え!?

ママ!?

この人ママなの!?


いや、知らんけど。



「いい加減、自己紹介して良いかしら?」


「……どうぞ」



この人は、なんでこんなにあたしに敵意を…。


向けられ続ける敵意。

しかし、すぐに理由はわかった。



「あたしは井坂香。さっきも言ったように内科医。そして芹原優の婚約者よ。よろしくね」



真っ直ぐあたしを見つめて、女の人…井坂さんが言う。



「身代わりのお姫様」
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