少女と過保護ーズ!!続
ハイネside



『ハイネ!!』


「…や…くも…さん」



ああ。

本当に泣いてる…。


泣きながら、あたしを呼んでる。



すぐにでも「大丈夫」そう言いたいのに。



意識がしっかりしたとたん、指の激痛に耐えるのに必死で。


八雲さんに呻き声を聞かせないように歯を喰いしばるのが精一杯で声が出せない。



おまけに頭も重く、目が回り、喉がカラカラで。


これは…ヤバい…かな。



『ハイネ!!』



八雲さん………。


カッとあたしは目をかっ開いた。


痛がってる場合かっ!!



「…………」


「…………」



優さんと目が合う。



最初は何かに驚いたかのように目を見開いていたけど、あたしと目が合ったとたん、卑しく笑った。



「う"…」



その笑みに吐き気まで襲ってくる。



「吐くなよ」


『ハイジ!!』



また呼ばれるも。


………誰が…ハイジだ。


脱力した。



しかし、八雲さんの側に拓実?

また珍しい組み合わせ……だけど。



なんでか、安心した。
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