少女と過保護ーズ!!続

邪魅

「……………」


「あら、お目覚め?身代わり姫」


「………??」



頭がボーッとする。


あたしは…?


ゆっくり瞬きをしてたら、細く手入れされた指が伸びてきて額を触ってくる。



凛さん?



「ん。熱は下がったわね」



………………違う!!


すぐさま、あたしはその手を払った。



「痛っ。ちょっと…」


「誰!?」



ベッドから飛び起きて、側に居る人を睨む。



思い出した。


あたしはどっかの族に拐われて、優さんのとこに連れて来られた。


優さんの……。



ホイッスル!!



「ああ…」



良かった。

あった。


いつもの場所にあった。

握りしめようとして……気付く。




人差し指、中指、薬指に湿布が貼られていた。



気絶する前まであった、激痛も今は全くない。



そして、あたしは吐いたはず…。



なのに、ベッドも服も綺麗だった。



服に至っては着替えさせられてた。



ザッと血の気が引く。


まさか…アイツに…。



嫌だっ!!嫌だっ!!嫌だ!!



「落ち着きなさい」



パニクるあたしに声がかかる。



ヤケに耳につくその声は、十分悪意に満ちた声だった。
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