真夜中のシャンプー屋

第7話 会社員とホスト

「カエデも一度行ってみようよ」
「えー、無理ですよぉ。私、お金ないし」
「お金じゃないんだって」

会社員カエデは、先輩の女性社員につかまっていた。
ホストクラブに行こうと言うのだ。
無理無理無理無理。金持ちのマダムじゃないんだし。

「癒されるよ~。綺麗な男子に膝まづかれて」
「それはそうなんでしょうけど」
「男だからって偉そうにふんぞり返ってるオヤジと違うんだよ」

でた。先輩のオヤジ嫌い。
この人、出世頭だったんだよねぇ。
今でも恨んでるんだろうなぁ。
嫉妬深い男上司にいじめられたこと...。
それで出世コースから外れた事。

「男がキャバクラとかに行くのと一緒だって」
「いやあ、私馬鹿だから、ぼったくられそうですよ」
「それは私がちゃんと見てるから!」

だめだ、おバカ作戦も通じない。
ていうか、先輩がぼったくられてるんじゃないだろうか。
誰か連れて来てヨって言われて誘われてるのかな。
そうだったらちょっとコワいゾ。

「じゃあ、一回!一回でいいから!」
「えー」
「約束!一回でいい。初心者割引コース!」

これは...OKしたら泥沼コース?それとも解放コース?
一回行けば、ターゲットを変えるだろうか。
学校のクラスのいじめのようだ。順番のいじめられっ子。

ていうか、先輩がちょっと心配。
新入社員の頃は世話になったなぁ。
止めた方がいいのかな。でも聞く耳持つかな。
ワカラナイ。

「じゃあ、明日ね!」

て、OKしちゃったよぉぉぉぉ。
解放コースをお願いシマス。
まあ、一回くらいなら...これも勉強?
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