<外伝>政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
レベッカ一行の世界漫遊の旅 4 (母を求めて?千里? 4)
結局、あの後1時間にも及ぶ押し問答が繰り広げられた。
ミラージュパパはついてくるなと言われても例え地の底までも必ず追い続けるぞと、可愛らしい笑みを浮かべながらぞっとすることを言うので、やむを得ず私たちは旅の同行を許すことにした。
そしてついに私たちが下界に戻る時がやってきた。
「それでは皆さん。どうかセネカをお願いします」
長老様は妙な事を言ってくる。確かにミラージュパパは今の姿は天使のように愛くるしい美少年の姿をしているけれども本当は520歳の正真正銘のドラゴンなのだから。
その言葉を聞いたミラージュは露骨にいやそうな顔を浮かべた。
「あ、あの~お祖父様……この方は本当に私のお父様なのですよね? まさか実は私の弟だった……なんてオチはありませんわよね?」
「あ、ミラージュ! 私もそれを考えていたところだったのよ」
私は手を挙げてミラージュに同意した。するとセネカさんは目をウルウルさせながらミラージュを見た。
「我が娘や……そんな悲しいことを言わないでおくれ? 私はお前の父親なのだよ? 20年間どんなにお前に会いたかったか分かるかい? けれど私は人間界に降りればひ弱な子供。1人でお前を探す旅になど出れなかったのだよ。だからお前が私に会いにここへやってきたときはどれほど嬉しかった事か。どうか私の気が済むまでお前たちの旅に同行させてくれたって良いだろう?」
そしてミラージュのスカートの裾を引っ張る。
うっ!
な、なんて可愛らしい姿なのだろう! こう見えても私は子供が大好きで、ズキュンと見事にハートを撃ち抜かれてしまった。その為肝心な言葉は頭に入ってこなかったのだ。
「い、いいでしょう! どうぞ私たちの旅に気のすむまでついてきてくださいっ!」
それに何度も言うが、セネカさんは520歳の正真正銘のドラゴンなのだ。セネカさんの力が果たしてどの位強いのか分からないが、何しろミラージュのパパなのだから、さぞかし素晴らしい力を秘めているに違いない。
すると長老様が身をのけぞらせて驚いた。
「何と! そこまで本気でセネカを連れて行って下さると言うのですね?!」
「まぁ……私としてはレベッカ様が父を同行させても良いのであれば、構いませんが……」
あくまで私最優先のミラージュ。
「私もレベッカさんの意見に従いますが……大丈夫なのでしょうか?」
ナージャさんが難色を示す。
「え……? 皆さん、どうかしたのですか?」
するとセネカさんがとんでもないことを言ってきた。
「よろしくお願いします、レベッカ様。下界に降りればひ弱な子供で何の力にもなれませんが、足手まといにだけはならないようにしますね」
そしてニコリと笑う。
「え……? ええ~っ!?」
……どうやら、私はとんでもないお荷物を引き受けてしまったかもしれない――
ミラージュパパはついてくるなと言われても例え地の底までも必ず追い続けるぞと、可愛らしい笑みを浮かべながらぞっとすることを言うので、やむを得ず私たちは旅の同行を許すことにした。
そしてついに私たちが下界に戻る時がやってきた。
「それでは皆さん。どうかセネカをお願いします」
長老様は妙な事を言ってくる。確かにミラージュパパは今の姿は天使のように愛くるしい美少年の姿をしているけれども本当は520歳の正真正銘のドラゴンなのだから。
その言葉を聞いたミラージュは露骨にいやそうな顔を浮かべた。
「あ、あの~お祖父様……この方は本当に私のお父様なのですよね? まさか実は私の弟だった……なんてオチはありませんわよね?」
「あ、ミラージュ! 私もそれを考えていたところだったのよ」
私は手を挙げてミラージュに同意した。するとセネカさんは目をウルウルさせながらミラージュを見た。
「我が娘や……そんな悲しいことを言わないでおくれ? 私はお前の父親なのだよ? 20年間どんなにお前に会いたかったか分かるかい? けれど私は人間界に降りればひ弱な子供。1人でお前を探す旅になど出れなかったのだよ。だからお前が私に会いにここへやってきたときはどれほど嬉しかった事か。どうか私の気が済むまでお前たちの旅に同行させてくれたって良いだろう?」
そしてミラージュのスカートの裾を引っ張る。
うっ!
な、なんて可愛らしい姿なのだろう! こう見えても私は子供が大好きで、ズキュンと見事にハートを撃ち抜かれてしまった。その為肝心な言葉は頭に入ってこなかったのだ。
「い、いいでしょう! どうぞ私たちの旅に気のすむまでついてきてくださいっ!」
それに何度も言うが、セネカさんは520歳の正真正銘のドラゴンなのだ。セネカさんの力が果たしてどの位強いのか分からないが、何しろミラージュのパパなのだから、さぞかし素晴らしい力を秘めているに違いない。
すると長老様が身をのけぞらせて驚いた。
「何と! そこまで本気でセネカを連れて行って下さると言うのですね?!」
「まぁ……私としてはレベッカ様が父を同行させても良いのであれば、構いませんが……」
あくまで私最優先のミラージュ。
「私もレベッカさんの意見に従いますが……大丈夫なのでしょうか?」
ナージャさんが難色を示す。
「え……? 皆さん、どうかしたのですか?」
するとセネカさんがとんでもないことを言ってきた。
「よろしくお願いします、レベッカ様。下界に降りればひ弱な子供で何の力にもなれませんが、足手まといにだけはならないようにしますね」
そしてニコリと笑う。
「え……? ええ~っ!?」
……どうやら、私はとんでもないお荷物を引き受けてしまったかもしれない――