<外伝>政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
レベッカ一行の世界漫遊の旅 4 (母を求めて?千里? 14)
「おおっ! 心当たりがあるのですね? それで何故元の姿に戻れたのですか?」
私はワクワクしながら尋ねた。
「……肉かな?」
「「「え?」」」
私、ミラージュ、ナージャさんの声が一斉にハモる。
「お父様、肉って……何のことですの?」
「ええ、私もそれが聞きたいです」
ミラージュの次に私もセネカさんに質問した。
「昨夜、レベッカ様から鶏肉料理を勧められて口にしましたよね? まさか……それが元の姿に戻れたきっかけですか?」
ナージャさんがナイスな発言をする。
「そう、それだよ。あの鶏肉料理を食べた後……実は皆には黙っていたけれども体中に活力がみなぎってくる感覚があったんだ。そしてそのまま眠りにつき……御覧の通り、大人の身体に戻れたのさ」
セネカさん……確かにどこからどうみても立派な大人、超絶イケメンお兄さんになっている。でも、あの美少年の姿も捨てがたかったのに……。
「お父様、大人の姿に戻れたと言う事はドラゴンの力も戻ったと言う訳ですね?」
「いや、それはまだだ」
ミラージュの問いかけに即答するセネカさん。
「はぁ? 何ですって!? それではドラゴンの姿にはなれないということですの?」
「いや、それどころの話じゃない。外見が大人になっただけで、腕力は女性並みしかない。恐らく重い荷物は持てないだろう。あ、持久力も無いのですぐに疲れるからな。そこのところはよろしく頼む」
「何がよろしく頼むですかっ! 大体何ですかっ!? その偉そうな態度は! 新入りで力も弱いのなら、もっと低姿勢になるべきではありませんかっ!? 図々しいですよ! そんなんではこのパーティーに加えることが出来かねます! これからどんな危険な冒険の旅になるか分からないと言うのに!」
「え!? そんな!お 母様を探す旅がそんなに危険な冒険の旅になってしまうの!?」
ミラージュの言葉に焦る私。すると、ナージャさんが私に耳打ちする。
「ええ、そうです。まさかお忘れですか? レベッカ様を狙う追手が迫っているということを」
「あ……そうだったわ。すっかり忘れていたわ。私はキング一族から……て、貞操を狙われていたじゃない! いいえ、それどころじゃないわ。お姉さまは私を監禁しようとしているし、お父様も何だか怪しいわ……」
「ええ、その通りですわ。レベッカ様。今に彼らはレベッカ様を脅かす存在として、立ち塞がってくる可能性がありますわ」
「そ、そんな……」
ミラージュの言葉に恐ろしくなってくる。
「ですからっ! ただ図体がでかいばかりで何の戦力にもならない者はこの旅に不要だと私は言いたいのですっ!」
そしてミラージュはビシイッとセネカさんを指さした。
う~ん……どうやらミラージュはそうとうセネカさんとの旅を拒否したいのかもしれない。
「いやいや待ってくれっ! 確かに今はまだ非力な存在でしかないが……ほら、あれだ! また栄養たっぷりの肉や魚を食すれば、ドラゴンの力が戻ってくる……そんな気がするのだっ! だ、だからどうかパーティーメンバーから外さないでくれっ!」
情けないくらいに必死になってセネカさんはミラージュに懇願してくる。しかもパーティーメンバーって……いつの間に私たちは冒険者になっていたのだろう?
「ミラージュ! どうか私を捨てないでおくれっ!」
ついにセネカさんはミラージュに土下座までし始めた。
う~ん……それにしても情けない……。セネカさんは正真正銘、純粋なドラゴンのはずなのに。
そして私は窓の外を眺め……何か大事なことを忘れている気がするのだった――
私はワクワクしながら尋ねた。
「……肉かな?」
「「「え?」」」
私、ミラージュ、ナージャさんの声が一斉にハモる。
「お父様、肉って……何のことですの?」
「ええ、私もそれが聞きたいです」
ミラージュの次に私もセネカさんに質問した。
「昨夜、レベッカ様から鶏肉料理を勧められて口にしましたよね? まさか……それが元の姿に戻れたきっかけですか?」
ナージャさんがナイスな発言をする。
「そう、それだよ。あの鶏肉料理を食べた後……実は皆には黙っていたけれども体中に活力がみなぎってくる感覚があったんだ。そしてそのまま眠りにつき……御覧の通り、大人の身体に戻れたのさ」
セネカさん……確かにどこからどうみても立派な大人、超絶イケメンお兄さんになっている。でも、あの美少年の姿も捨てがたかったのに……。
「お父様、大人の姿に戻れたと言う事はドラゴンの力も戻ったと言う訳ですね?」
「いや、それはまだだ」
ミラージュの問いかけに即答するセネカさん。
「はぁ? 何ですって!? それではドラゴンの姿にはなれないということですの?」
「いや、それどころの話じゃない。外見が大人になっただけで、腕力は女性並みしかない。恐らく重い荷物は持てないだろう。あ、持久力も無いのですぐに疲れるからな。そこのところはよろしく頼む」
「何がよろしく頼むですかっ! 大体何ですかっ!? その偉そうな態度は! 新入りで力も弱いのなら、もっと低姿勢になるべきではありませんかっ!? 図々しいですよ! そんなんではこのパーティーに加えることが出来かねます! これからどんな危険な冒険の旅になるか分からないと言うのに!」
「え!? そんな!お 母様を探す旅がそんなに危険な冒険の旅になってしまうの!?」
ミラージュの言葉に焦る私。すると、ナージャさんが私に耳打ちする。
「ええ、そうです。まさかお忘れですか? レベッカ様を狙う追手が迫っているということを」
「あ……そうだったわ。すっかり忘れていたわ。私はキング一族から……て、貞操を狙われていたじゃない! いいえ、それどころじゃないわ。お姉さまは私を監禁しようとしているし、お父様も何だか怪しいわ……」
「ええ、その通りですわ。レベッカ様。今に彼らはレベッカ様を脅かす存在として、立ち塞がってくる可能性がありますわ」
「そ、そんな……」
ミラージュの言葉に恐ろしくなってくる。
「ですからっ! ただ図体がでかいばかりで何の戦力にもならない者はこの旅に不要だと私は言いたいのですっ!」
そしてミラージュはビシイッとセネカさんを指さした。
う~ん……どうやらミラージュはそうとうセネカさんとの旅を拒否したいのかもしれない。
「いやいや待ってくれっ! 確かに今はまだ非力な存在でしかないが……ほら、あれだ! また栄養たっぷりの肉や魚を食すれば、ドラゴンの力が戻ってくる……そんな気がするのだっ! だ、だからどうかパーティーメンバーから外さないでくれっ!」
情けないくらいに必死になってセネカさんはミラージュに懇願してくる。しかもパーティーメンバーって……いつの間に私たちは冒険者になっていたのだろう?
「ミラージュ! どうか私を捨てないでおくれっ!」
ついにセネカさんはミラージュに土下座までし始めた。
う~ん……それにしても情けない……。セネカさんは正真正銘、純粋なドラゴンのはずなのに。
そして私は窓の外を眺め……何か大事なことを忘れている気がするのだった――