<外伝>政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
レベッカを探せ 4 〜キング一家の旅 8
俺たちが乗せられた『ヴィーナス』号の船員は船長を含め、乗組員は7名。
全員ガラが悪そうな連中ばかりで、全員揃いも揃って腕には錨のマークのタトゥーが掘られている。
俺たち親子3人は横一列に並ばされ、正面にはこの船の乗組員が集合している。
そして空に響き渡るは海賊船帳の威勢の良い声。
「いいか、今日からコイツラ3人がてめえらの仲間だ! 西の大陸に向かうまでコイツラもこの船の船員だっ! 自己紹介は面倒臭えから省略だっ! 各自勝手に自己紹介しておけっ!」
「何っ!?」
一体何の為に俺たちを並ばせやがったんだ!?
「は?」
「何と!」
クズ兄貴と変態親父も驚いたのか目ン玉をひん剥いて驚いたように海賊船帳を見ている。
「よしっ! 出港だ野郎ども! 錨を上げろっ!」
『おうっ!!』
ガラの悪い連中の掛け声が空に響き渡った――
****
「うぇ〜……も、もうダメだ……」
「うう……し、死にそうだ……船を下ろしてくれ……」
出向して1時間――
能天気兄貴とロリコン親父が早速船酔いでぶっ倒れてしまった。
全く、なんて役立たず共なんだ。
「オイオイオイオイッ! 何だ何だぁ? これ位でへばっていたら、外洋に出たら一体どうなるんだよ? ええ? オイ!?」
スキンヘッド頭の船員がぶっ倒れている2人の頭の上で容赦ない言葉を吐く。
よし、いいぞっ! もっと言ってやってくれっ!
心の中でスキンヘッドを応援する俺。するとクソ兄貴が真っ青な顔で情けないことを言ってきた。
「な、何だと……? まだ……外洋にも……出ていないと言うのか……?」
「う、嘘だろう……駄目だ……私はもう死んでしま……おうえぇぇぇえっ!」
変態親父は言ってる側から、空のたらいの中に顔を突っ込む。
それに触発されたか、クソ兄貴も「ウッ!」とうなり、空の桶の中に顔つっこみ……後はもう見ていられなかった。
その様子を見ていた別の痩せぎすな船員が腕組みしながら俺を見た。
「全くもって使えない奴らだ……こうなったらお前に2人分働いて貰わなくちゃならんなぁ?」
「な、何だってっ!? 冗談だろうっ!?」
ありえない。
ただでさえ、出向してから全く休まずに甲板掃除やら船の修繕やらで馬車馬のように 働かされていると言うのにかっ!?
「ああ、そうだ。お前らをただで乗せる代わりに身体で払って貰うのが条件だったからなぁ? 今更嫌だとは言わせないぞ? もし約束を破るものなら、今すぐ船から降りて貰うからな!」
「何だとっ!? こんなところで降りれるかっ!!」
ありえないっ!
こんな海のど真ん中で降りれるはずが無いだろう!
「嫌ならお前があの役立たず共の分まで働くんだな?」
「わ、分かった……働けばいいんだろう? 働けば!」
くそっ……!
レベッカの為じゃなければ誰がこんなことするかっ!
もうあいつらのお守りは限界だ。
船を降りたら馬ごと、トンズラしまおう。
あの2人とは、もうおさらばだ!
俺は決心を固めた――
全員ガラが悪そうな連中ばかりで、全員揃いも揃って腕には錨のマークのタトゥーが掘られている。
俺たち親子3人は横一列に並ばされ、正面にはこの船の乗組員が集合している。
そして空に響き渡るは海賊船帳の威勢の良い声。
「いいか、今日からコイツラ3人がてめえらの仲間だ! 西の大陸に向かうまでコイツラもこの船の船員だっ! 自己紹介は面倒臭えから省略だっ! 各自勝手に自己紹介しておけっ!」
「何っ!?」
一体何の為に俺たちを並ばせやがったんだ!?
「は?」
「何と!」
クズ兄貴と変態親父も驚いたのか目ン玉をひん剥いて驚いたように海賊船帳を見ている。
「よしっ! 出港だ野郎ども! 錨を上げろっ!」
『おうっ!!』
ガラの悪い連中の掛け声が空に響き渡った――
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「うぇ〜……も、もうダメだ……」
「うう……し、死にそうだ……船を下ろしてくれ……」
出向して1時間――
能天気兄貴とロリコン親父が早速船酔いでぶっ倒れてしまった。
全く、なんて役立たず共なんだ。
「オイオイオイオイッ! 何だ何だぁ? これ位でへばっていたら、外洋に出たら一体どうなるんだよ? ええ? オイ!?」
スキンヘッド頭の船員がぶっ倒れている2人の頭の上で容赦ない言葉を吐く。
よし、いいぞっ! もっと言ってやってくれっ!
心の中でスキンヘッドを応援する俺。するとクソ兄貴が真っ青な顔で情けないことを言ってきた。
「な、何だと……? まだ……外洋にも……出ていないと言うのか……?」
「う、嘘だろう……駄目だ……私はもう死んでしま……おうえぇぇぇえっ!」
変態親父は言ってる側から、空のたらいの中に顔を突っ込む。
それに触発されたか、クソ兄貴も「ウッ!」とうなり、空の桶の中に顔つっこみ……後はもう見ていられなかった。
その様子を見ていた別の痩せぎすな船員が腕組みしながら俺を見た。
「全くもって使えない奴らだ……こうなったらお前に2人分働いて貰わなくちゃならんなぁ?」
「な、何だってっ!? 冗談だろうっ!?」
ありえない。
ただでさえ、出向してから全く休まずに甲板掃除やら船の修繕やらで馬車馬のように 働かされていると言うのにかっ!?
「ああ、そうだ。お前らをただで乗せる代わりに身体で払って貰うのが条件だったからなぁ? 今更嫌だとは言わせないぞ? もし約束を破るものなら、今すぐ船から降りて貰うからな!」
「何だとっ!? こんなところで降りれるかっ!!」
ありえないっ!
こんな海のど真ん中で降りれるはずが無いだろう!
「嫌ならお前があの役立たず共の分まで働くんだな?」
「わ、分かった……働けばいいんだろう? 働けば!」
くそっ……!
レベッカの為じゃなければ誰がこんなことするかっ!
もうあいつらのお守りは限界だ。
船を降りたら馬ごと、トンズラしまおう。
あの2人とは、もうおさらばだ!
俺は決心を固めた――