<外伝>政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (ついに……再会!? 2)
さて、今私たちが今向かっているのは南海洋に浮かんでいるといわれる幻の孤島……『ハルシオン』と呼ばれる島である。
この島はナージャさんの水晶占いと、セネカさんのドラゴンの力(どのように使うのか謎だが)によってお母様がいると導き出された島であった。
何故幻の島と呼ばれているのかと言うと、この船を借りるときに船長さんが教えてくれたからだった。
その理由は……。
****
話は1週間ほど前に遡る。
宿屋ではナージャさんとセネカさんの静かな対決が行われていた。
ナージャさんは水晶玉を覗き込み、何やら怪し気な呪文のようなものを唱えている。
一方のセネカさんは何故か床にあぐらをかき、瞑想? している。
その姿は何処か眠っているようにも感じられる。
そんな2人の姿を、私達3人は黙って見守っていた。
そして対決が開始されて、30分後――
「分かったわ!」
「分かったぞっ!」
突然、セネカさんとナージャさんが同時に声を上げた。
「え? 分かったのですかっ!?」
思わず椅子から立ち上がる私。
「ええ! 勿論ですっ!」
「任せてくれっ!」
2人は余程自信があるのか大きく首を縦に振る。
「では、お2人が導き出したレベッカ様のお母様の居場所をこちらに書いていただけますか?」
ミラージュはいつの間に用意していたのか、メモ紙と鉛筆をテーブルの上に置いた。
「了解!」
「お安い御用ですっ!」
2人はさらさらと鉛筆を動かし、メモ紙をテーブルの上に叩きつけた。
「書きました!」
「書いたぞっ!」
う~ん……。それにしてもこの2人、息ぴったりだ。いや、もはやシンクロしているとしか思えない。
「それでは俺が確認しよう」
何故か名乗りを上げるサミュエル王子。
サミュエル王子はテーブルの上に叩きつけられたメモ紙を手に取り……見比べて声を上げた。
「こ、これは……何と言うことだっ!」
「え? 何々?」
「どうしたのですか?」
私とミラージュはサミュエル王子に尋ねた。
「皆、聞いて驚いてくれ。何と2人が探し当てた場所が一致したんだよ。きっとこれは間違いない。レベッカのお母さんはここにいるんだ!」
サミュエル王子は2枚のメモ紙をテーブルの上に叩きつけた。
そこには、こう記されていた。
『南海洋に浮かぶ陸の孤島、南緯21度40分、東経165度40分』
「ここですっ! 間違いなくここにいますっ! これ以上のことは分かりませんっ!」
「ああ、そうだ! 絶対だぞっ! ドラゴンの意地にかけても私もこれ以上は分からないぞっ!」
ナージャさんもセネカさんも鼻息を荒くして訴えてくる。
「う~ん……しかし、困ったな……」
サミュエル王子がうなる。
「ええ……確かに困りましたね……」
頷く私。
「何が困るのですか?」
ミラージュは訳が分からないのか首をひねるし、ナージャさんとセネカさんは力? を使い果たしたのか、椅子の上で魂が抜けかかっている。
「つまり、俺たちのようなど素人だけではこの場所に辿り着けないと言う事さ」
「つまり、船に乗せてもらう必要があると言うことね」
「だったら私がドラゴンの姿になって……」
と言いかけて、ミラージュは口を閉じる。
ミラージュもようやく気付いた様だ。
「南海洋に浮かぶ陸の孤島、南緯21度40分、東経165度40分なんて書かれてもここまでたどり着けないでしょう?」
「ええ。そうですね。どうやって飛べばいいのかさっぱりです」
きっぱり頷くミラージュ。
「これは……やはり路銀をためて船代を稼ぐしかないな……」
こうしてサミュエル王子の言葉により、私たちは船代を稼ぐ為に奔走することになるのだった――
この島はナージャさんの水晶占いと、セネカさんのドラゴンの力(どのように使うのか謎だが)によってお母様がいると導き出された島であった。
何故幻の島と呼ばれているのかと言うと、この船を借りるときに船長さんが教えてくれたからだった。
その理由は……。
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話は1週間ほど前に遡る。
宿屋ではナージャさんとセネカさんの静かな対決が行われていた。
ナージャさんは水晶玉を覗き込み、何やら怪し気な呪文のようなものを唱えている。
一方のセネカさんは何故か床にあぐらをかき、瞑想? している。
その姿は何処か眠っているようにも感じられる。
そんな2人の姿を、私達3人は黙って見守っていた。
そして対決が開始されて、30分後――
「分かったわ!」
「分かったぞっ!」
突然、セネカさんとナージャさんが同時に声を上げた。
「え? 分かったのですかっ!?」
思わず椅子から立ち上がる私。
「ええ! 勿論ですっ!」
「任せてくれっ!」
2人は余程自信があるのか大きく首を縦に振る。
「では、お2人が導き出したレベッカ様のお母様の居場所をこちらに書いていただけますか?」
ミラージュはいつの間に用意していたのか、メモ紙と鉛筆をテーブルの上に置いた。
「了解!」
「お安い御用ですっ!」
2人はさらさらと鉛筆を動かし、メモ紙をテーブルの上に叩きつけた。
「書きました!」
「書いたぞっ!」
う~ん……。それにしてもこの2人、息ぴったりだ。いや、もはやシンクロしているとしか思えない。
「それでは俺が確認しよう」
何故か名乗りを上げるサミュエル王子。
サミュエル王子はテーブルの上に叩きつけられたメモ紙を手に取り……見比べて声を上げた。
「こ、これは……何と言うことだっ!」
「え? 何々?」
「どうしたのですか?」
私とミラージュはサミュエル王子に尋ねた。
「皆、聞いて驚いてくれ。何と2人が探し当てた場所が一致したんだよ。きっとこれは間違いない。レベッカのお母さんはここにいるんだ!」
サミュエル王子は2枚のメモ紙をテーブルの上に叩きつけた。
そこには、こう記されていた。
『南海洋に浮かぶ陸の孤島、南緯21度40分、東経165度40分』
「ここですっ! 間違いなくここにいますっ! これ以上のことは分かりませんっ!」
「ああ、そうだ! 絶対だぞっ! ドラゴンの意地にかけても私もこれ以上は分からないぞっ!」
ナージャさんもセネカさんも鼻息を荒くして訴えてくる。
「う~ん……しかし、困ったな……」
サミュエル王子がうなる。
「ええ……確かに困りましたね……」
頷く私。
「何が困るのですか?」
ミラージュは訳が分からないのか首をひねるし、ナージャさんとセネカさんは力? を使い果たしたのか、椅子の上で魂が抜けかかっている。
「つまり、俺たちのようなど素人だけではこの場所に辿り着けないと言う事さ」
「つまり、船に乗せてもらう必要があると言うことね」
「だったら私がドラゴンの姿になって……」
と言いかけて、ミラージュは口を閉じる。
ミラージュもようやく気付いた様だ。
「南海洋に浮かぶ陸の孤島、南緯21度40分、東経165度40分なんて書かれてもここまでたどり着けないでしょう?」
「ええ。そうですね。どうやって飛べばいいのかさっぱりです」
きっぱり頷くミラージュ。
「これは……やはり路銀をためて船代を稼ぐしかないな……」
こうしてサミュエル王子の言葉により、私たちは船代を稼ぐ為に奔走することになるのだった――