<外伝>政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (ついに……再会!? 3)
私達は船に乗る路銀を稼ぐ為にありとあらゆることをした。
ナージャさんは得意の水晶占いでお金を稼ぎ、ミラージュは力自慢。そして私は家畜やペットの気持ちを飼い主に伝えてあげる……というわけのわからない特技を披露し、サミュエル王子とセネカさんは客引きに頑張った。
最もセネカさんが客引きしてきた相手が全員女性だったのは言うまでもない。
そして私達は豪華客船を貸し切る事が出来る程の大金を、たったの3日間で稼ぎ出したのだった。
これでようやく、お母様を探しに旅に出ることが出来るっ!
そう喜んだのも束の間…‥ここから先が大変だった――
****
青い空の下……男の声が響き渡る。
「はぁ? 何だって? 南海洋に浮かぶ陸の孤島、南緯21度40分、東経165度40分の場所に連れて行ってくれだって?」
港でパイプをふかしていた浅黒い肌に、筋肉マッチョな中年男性がジロリとこちらを睨みつけていた。
「ああ、そうなんだ。我々はどうしてもそこへ行かなければならない。頼む! 金ならある。どうかこの場所まで乗せていってくれないか?」
本日、15人目の船員にサミュエル王子は頭を下げて必死に頼んだ。
「冗談じゃない。そんな面倒臭いこと引き受けられるかよ。他を当たってくれ」
そして中年男性は、シッシッと無下に手で追い払う。
「そんな〜貴方で断ってくるの15人目なんですよ……お願いです! お金ならお好きなだけお支払いしますから……」
私は必死で懇願した。
「うるせーなー。休憩の邪魔だ!失せなっ!」
中年男性はあろうことか、パイプの煙を私に吹きかけてきた。
「……ゴホッゴホッ!」
タバコの煙でむせこむ私。
「ま、まぁ……何ってことでしょう! よくもレベッカ様にそのような無体を働くとは……!」
ミラージュは今迄散々船に乗せて貰う頼みを断られ続け、とうとう怒りの為かドラゴンの角を……。
「落ち着け! 落ち着くのだ、我が娘よっ!」
セネカさんがミラージュの角を押さえて必死で止める。
すると……。
「おや……? お前さん……。随分と男前じゃないか? ひょっとしてコイツラの仲間か?」
何と、あろうことか、船員はセネカさんに声をかけてきたのだ。
えっ!?
ま、まさか……そっちの趣味だったのっ!?
「ああ、そうだ。彼等は私の大切な仲間……家族みたいなものさ」
セネカさんは実際の娘であるミラージュの伸びかけている角をさすりながら中年男性に笑みを浮かべる。
あ……知らなかった。ドラゴンの角ってさすれば落ち着くのか……。
「そうか……お前さんの頼みなら聞いてやらなくもないな……。よし、詳しい話は俺の船で聞かせてもらおう。それじゃついてきなっ!」
そして私達は恐らく男色家? であろう船員の後をついていくことにした――
ナージャさんは得意の水晶占いでお金を稼ぎ、ミラージュは力自慢。そして私は家畜やペットの気持ちを飼い主に伝えてあげる……というわけのわからない特技を披露し、サミュエル王子とセネカさんは客引きに頑張った。
最もセネカさんが客引きしてきた相手が全員女性だったのは言うまでもない。
そして私達は豪華客船を貸し切る事が出来る程の大金を、たったの3日間で稼ぎ出したのだった。
これでようやく、お母様を探しに旅に出ることが出来るっ!
そう喜んだのも束の間…‥ここから先が大変だった――
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青い空の下……男の声が響き渡る。
「はぁ? 何だって? 南海洋に浮かぶ陸の孤島、南緯21度40分、東経165度40分の場所に連れて行ってくれだって?」
港でパイプをふかしていた浅黒い肌に、筋肉マッチョな中年男性がジロリとこちらを睨みつけていた。
「ああ、そうなんだ。我々はどうしてもそこへ行かなければならない。頼む! 金ならある。どうかこの場所まで乗せていってくれないか?」
本日、15人目の船員にサミュエル王子は頭を下げて必死に頼んだ。
「冗談じゃない。そんな面倒臭いこと引き受けられるかよ。他を当たってくれ」
そして中年男性は、シッシッと無下に手で追い払う。
「そんな〜貴方で断ってくるの15人目なんですよ……お願いです! お金ならお好きなだけお支払いしますから……」
私は必死で懇願した。
「うるせーなー。休憩の邪魔だ!失せなっ!」
中年男性はあろうことか、パイプの煙を私に吹きかけてきた。
「……ゴホッゴホッ!」
タバコの煙でむせこむ私。
「ま、まぁ……何ってことでしょう! よくもレベッカ様にそのような無体を働くとは……!」
ミラージュは今迄散々船に乗せて貰う頼みを断られ続け、とうとう怒りの為かドラゴンの角を……。
「落ち着け! 落ち着くのだ、我が娘よっ!」
セネカさんがミラージュの角を押さえて必死で止める。
すると……。
「おや……? お前さん……。随分と男前じゃないか? ひょっとしてコイツラの仲間か?」
何と、あろうことか、船員はセネカさんに声をかけてきたのだ。
えっ!?
ま、まさか……そっちの趣味だったのっ!?
「ああ、そうだ。彼等は私の大切な仲間……家族みたいなものさ」
セネカさんは実際の娘であるミラージュの伸びかけている角をさすりながら中年男性に笑みを浮かべる。
あ……知らなかった。ドラゴンの角ってさすれば落ち着くのか……。
「そうか……お前さんの頼みなら聞いてやらなくもないな……。よし、詳しい話は俺の船で聞かせてもらおう。それじゃついてきなっ!」
そして私達は恐らく男色家? であろう船員の後をついていくことにした――