<外伝>政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (ついに……再会!? 12 )
そして話は出だしに戻り……私とナージャさん以外の愉快な仲間たちは甲板の上で船酔いを起してぶっ倒れていた。
「ううぅう……は、早く……り、陸地……陸地に下ろして欲しい……」
サミュエル王子は真っ青になっている。
「わ、私も……限界に近いですわ……」
ミラージュは口を押さえている。
そしてセネカさんは、もはや樽と友達状態だ。
「う〜ん……流石に私の『力』では船酔いを止めることは出来ないし……」
そこへ、男色家船長が私とナージャさんの元へやってきた。
「おう、どうだい?あんたの連れ達の様子は?」
「ええ、ご覧の通りです」
後方をチラリと見ると、甲板の上でぶっ倒れている3人を見やった。
「ははぁん……なるほどな。だが、今回の航行は人生の中で最も天候に恵まれ、海も穏やかだって言うのに、彼等はぶっ倒れてしまったのかい」
「ええ、そのようですね」
天候に恵まれているのは当然だ。私が『力』を使って、天候を操っているからだ。
「だが、安心しろ。恐らくもうすぐ『ハルシオン』に到着するはずだ」
男色家船長の言葉に私は思いきり反応した。
「ほ、本当ですかっ!? 本っ当にもうすぐ到着するんですよね!?」
「あ、ああそうだが……?」
「やりましたね! おめでとうございますっ! レベッカ様!」
「ええっ! ありがとう!ナージャさんっ!」
ナージャさんと手を取り合って喜ぶも、何故か男色家船長の顔は浮かない。
「う〜ん……だがなぁ……何となく様子がおかしいんだよ」
「え? どんな風に様子がおかしいと言うのですか?」
「ああ、大体『ハルシオン』が現れそうな場所は濃い霧で辺りが満ちて、座礁する船が多発すると言われているのに、全く霧が出ていない。ひょっとすると場所を間違えてしまっただろうか?」
「ひょっとすると、レベッカ様が何かしているからですか?」
ナージャさんが耳打ちしてきた。
「いいえ、まさか。私は何もしていませんよ?」
同じ様に小声で返事をする私。
「う〜ん……妙ですね……でも私の占いは絶対です! メモに書いた数字に間違いは有りません!」
「ああ、そうだな。きっと稀に霧が晴れることもあるのだろう。よし! このまま進むぞっ!」
『おうっ!!』
船長の言葉に船員たちは大きな声で返事をした。
そのまま船は航行を続け……ついに遠くの方にポツリと浮かぶ島を発見した。
「船長っ! ひょっとしてあれが『ハルシオン』ですかっ!?」
甲板の上で舵輪を握りしめている船長さんに尋ねた。
「ああ、そうだ! 位置を考えると、『ハルシオン』に違いないっ! 喜べ! ついに我らは辿り着いたぞーっ!!」
男色家船長の声が青空に響き渡った。
そして、『ハルシオン』で私は衝撃的な再会を果たすことになるのだった――
「ううぅう……は、早く……り、陸地……陸地に下ろして欲しい……」
サミュエル王子は真っ青になっている。
「わ、私も……限界に近いですわ……」
ミラージュは口を押さえている。
そしてセネカさんは、もはや樽と友達状態だ。
「う〜ん……流石に私の『力』では船酔いを止めることは出来ないし……」
そこへ、男色家船長が私とナージャさんの元へやってきた。
「おう、どうだい?あんたの連れ達の様子は?」
「ええ、ご覧の通りです」
後方をチラリと見ると、甲板の上でぶっ倒れている3人を見やった。
「ははぁん……なるほどな。だが、今回の航行は人生の中で最も天候に恵まれ、海も穏やかだって言うのに、彼等はぶっ倒れてしまったのかい」
「ええ、そのようですね」
天候に恵まれているのは当然だ。私が『力』を使って、天候を操っているからだ。
「だが、安心しろ。恐らくもうすぐ『ハルシオン』に到着するはずだ」
男色家船長の言葉に私は思いきり反応した。
「ほ、本当ですかっ!? 本っ当にもうすぐ到着するんですよね!?」
「あ、ああそうだが……?」
「やりましたね! おめでとうございますっ! レベッカ様!」
「ええっ! ありがとう!ナージャさんっ!」
ナージャさんと手を取り合って喜ぶも、何故か男色家船長の顔は浮かない。
「う〜ん……だがなぁ……何となく様子がおかしいんだよ」
「え? どんな風に様子がおかしいと言うのですか?」
「ああ、大体『ハルシオン』が現れそうな場所は濃い霧で辺りが満ちて、座礁する船が多発すると言われているのに、全く霧が出ていない。ひょっとすると場所を間違えてしまっただろうか?」
「ひょっとすると、レベッカ様が何かしているからですか?」
ナージャさんが耳打ちしてきた。
「いいえ、まさか。私は何もしていませんよ?」
同じ様に小声で返事をする私。
「う〜ん……妙ですね……でも私の占いは絶対です! メモに書いた数字に間違いは有りません!」
「ああ、そうだな。きっと稀に霧が晴れることもあるのだろう。よし! このまま進むぞっ!」
『おうっ!!』
船長の言葉に船員たちは大きな声で返事をした。
そのまま船は航行を続け……ついに遠くの方にポツリと浮かぶ島を発見した。
「船長っ! ひょっとしてあれが『ハルシオン』ですかっ!?」
甲板の上で舵輪を握りしめている船長さんに尋ねた。
「ああ、そうだ! 位置を考えると、『ハルシオン』に違いないっ! 喜べ! ついに我らは辿り着いたぞーっ!!」
男色家船長の声が青空に響き渡った。
そして、『ハルシオン』で私は衝撃的な再会を果たすことになるのだった――