<外伝>政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (ついに…再会?! 22)
ミラージュが興奮のあまり角をにょきにょき伸ばし始めた時。
「おや? どうやらイカダが砂浜に到着したようだぞ?」
砂浜をじっと見つめていたセネカさんの言葉に私も後ろを振り返った。
イカダを降りてきたのは遠目から男性だということがすぐに分かった。
「レベッカやーっ!」
眼前に迫りくるお父様。
「レベッカ! 待ってなさいっ! 監禁してやるんだからっ!」
2人は砂浜をもつれるようにこちらへ駆け寄ってくる。
「大丈夫です。ご安心ください、レベッカ様。あんな不届き者に指1本触れさせませんから」
ナージャさんも頼もしいことを言ってくれる。
その時、遠くから叫び声が聞こえた。
「お、おいっ! お前……ひょっとしてレベッカじゃないのかっ!?」
「え!?」
何処かで聞き覚えのある声に再度振り向き、私は悲鳴を上げた。
「キャアアアアアアアアッ!!」
何とあろうことか、背後に迫ってくるのはクズ男のアレックス王子に、気に食わないランス王子、挙句に変態ロリコン国王がこちらへ向かって駆けてくるではないか。
しかもさらに私を恐怖に陥れたのはアレックス王子の変化である。
「う、嘘でしょう‥‥…ッ!? な、何なのっ! あの変わりようは!」
顔こそ変わっていないものの、アレックス王子の変貌ぶりに私は叫ばずにはいられなかった。
何!? あの身体は!
腕も足も以前の2倍くらいに膨れているし、肌はすっかり浅黒くなっている。
何で!? いつの間にあんなマッチョマンになっていたの!?
「レベッカッ!! ついに見つけたぞ! もう二度とお前を離さないっ! 大切にすると約束するぞっ!」
「レベッカッ! やっぱり僕には君だけだよ! 僕はアレックスのように浮気はしないと誓うよ!」
「可愛いレベッカや! 息子2人の嫁には勿体ない! 私が可愛がってやるからな!」
「キャアアアアアアッ! いやあああっ! 気色悪いっ! 変態っ!!」
迫りくる3人に恐怖のあまりパニックになる私。
「お前らには大切なレベッカは渡さんぞっ!」
サミュエル王子が剣を抜いた。
「そうだな……お前たちははっきり言って下種の極みだ。そんな人間たちにレベッカ様を渡すわけにはいかんな!」
セネカさんもサミュエル王子の隣に立つ。
「大丈夫ですっ! レベッカ様は私たちがお守りします!」
ナージャさんが心強い言葉をかけてくれる。
そしてお父様とジョセフィーヌお姉さまがこちらに迫って来た瞬間――。
カッ!!
眩しい光を放つと、ミラージュが一瞬で巨大なドラゴンの姿に変わった。
「や、やはりそうだったのかミラージュよっ!! お前はドラゴンの化身だったのだなっ!!」
「ま、まさかお父様の言う通りだったなんて……!」
あろうことか、何とお父様とお姉さまはミラージュの正体に気付いていたなんて!!
しかし、アレックス王子たちはミラージュのドラゴン姿に驚きを隠せない。
「う、嘘だろうっ!? ド、ドラゴンなんて……っ! 力が強いとは思っていたけれども……」
ランス王子は余程驚いたのか、腰を抜かしている。
「何と!! まさか本当にドラゴンがこの世に存在していたとは…!!」
ロリコン国王は顎が外れそうなほど口を開いている。
「そうか……貴様、ただ者ではないと思っていたが、やはり人外な存在だったのだな!? よし決めたっ! 貴様を捉えて、サーカスに売り払ってやるっ!!」
何と! 脳みそまで筋肉と化してしまったのか、アレックス王子はとんでもないことを口にした。
<な、何でってっ!? この私をサーカスに売り飛ばすですって……!! 許せませんわ……っ!!>
ミラージュが超音波を発しようとした瞬間……。
『駄目よっ!! およしなさいっ!!ミラージュッ!!』
突然頭の中に見知らぬ声が響き渡り、視界が真っ白に染まった――
「おや? どうやらイカダが砂浜に到着したようだぞ?」
砂浜をじっと見つめていたセネカさんの言葉に私も後ろを振り返った。
イカダを降りてきたのは遠目から男性だということがすぐに分かった。
「レベッカやーっ!」
眼前に迫りくるお父様。
「レベッカ! 待ってなさいっ! 監禁してやるんだからっ!」
2人は砂浜をもつれるようにこちらへ駆け寄ってくる。
「大丈夫です。ご安心ください、レベッカ様。あんな不届き者に指1本触れさせませんから」
ナージャさんも頼もしいことを言ってくれる。
その時、遠くから叫び声が聞こえた。
「お、おいっ! お前……ひょっとしてレベッカじゃないのかっ!?」
「え!?」
何処かで聞き覚えのある声に再度振り向き、私は悲鳴を上げた。
「キャアアアアアアアアッ!!」
何とあろうことか、背後に迫ってくるのはクズ男のアレックス王子に、気に食わないランス王子、挙句に変態ロリコン国王がこちらへ向かって駆けてくるではないか。
しかもさらに私を恐怖に陥れたのはアレックス王子の変化である。
「う、嘘でしょう‥‥…ッ!? な、何なのっ! あの変わりようは!」
顔こそ変わっていないものの、アレックス王子の変貌ぶりに私は叫ばずにはいられなかった。
何!? あの身体は!
腕も足も以前の2倍くらいに膨れているし、肌はすっかり浅黒くなっている。
何で!? いつの間にあんなマッチョマンになっていたの!?
「レベッカッ!! ついに見つけたぞ! もう二度とお前を離さないっ! 大切にすると約束するぞっ!」
「レベッカッ! やっぱり僕には君だけだよ! 僕はアレックスのように浮気はしないと誓うよ!」
「可愛いレベッカや! 息子2人の嫁には勿体ない! 私が可愛がってやるからな!」
「キャアアアアアアッ! いやあああっ! 気色悪いっ! 変態っ!!」
迫りくる3人に恐怖のあまりパニックになる私。
「お前らには大切なレベッカは渡さんぞっ!」
サミュエル王子が剣を抜いた。
「そうだな……お前たちははっきり言って下種の極みだ。そんな人間たちにレベッカ様を渡すわけにはいかんな!」
セネカさんもサミュエル王子の隣に立つ。
「大丈夫ですっ! レベッカ様は私たちがお守りします!」
ナージャさんが心強い言葉をかけてくれる。
そしてお父様とジョセフィーヌお姉さまがこちらに迫って来た瞬間――。
カッ!!
眩しい光を放つと、ミラージュが一瞬で巨大なドラゴンの姿に変わった。
「や、やはりそうだったのかミラージュよっ!! お前はドラゴンの化身だったのだなっ!!」
「ま、まさかお父様の言う通りだったなんて……!」
あろうことか、何とお父様とお姉さまはミラージュの正体に気付いていたなんて!!
しかし、アレックス王子たちはミラージュのドラゴン姿に驚きを隠せない。
「う、嘘だろうっ!? ド、ドラゴンなんて……っ! 力が強いとは思っていたけれども……」
ランス王子は余程驚いたのか、腰を抜かしている。
「何と!! まさか本当にドラゴンがこの世に存在していたとは…!!」
ロリコン国王は顎が外れそうなほど口を開いている。
「そうか……貴様、ただ者ではないと思っていたが、やはり人外な存在だったのだな!? よし決めたっ! 貴様を捉えて、サーカスに売り払ってやるっ!!」
何と! 脳みそまで筋肉と化してしまったのか、アレックス王子はとんでもないことを口にした。
<な、何でってっ!? この私をサーカスに売り飛ばすですって……!! 許せませんわ……っ!!>
ミラージュが超音波を発しようとした瞬間……。
『駄目よっ!! およしなさいっ!!ミラージュッ!!』
突然頭の中に見知らぬ声が響き渡り、視界が真っ白に染まった――