<外伝>政略結婚した夫の愛人は私の専属メイドだったので離婚しようと思います
レベッカ一行の世界漫遊の旅 5 (母との再会 5)
この世に生まれて17年。
結婚こそしたけれど、男の人と一度もキスすらしたことの無い私にとっては初めての経験だった。
あまりの出来事に身体が硬直してしまう。そんな私の緊張がサミュエル王子にも伝わったのだろうか?
そっと私から顔を離すと、サミュエル王子はじっと見つめてきた。
「レベッカ、もしかしてイヤだったかな……?」
「は、はいっ?! ま、まさかっ!」
ブンブン首を振って全否定する。
「本当に……? 無理して言ってるわけじゃないよね?」
サミュエル王子は私の両肩に手を置いたまま尋ねてきた。
「も……もちろんですっ! これがもし、本当にイヤだったなら……い、今頃天変地異がおこりますよっ!」
「ああ ?あの時グランダ王国が滅んだときみたいにかい?」
「はい、そうです」
「そうか……イヤじゃないってことは、もう一度してもいいってことかな?」
「は、はい。持ちろ……んっ」
次の瞬間、私の言葉は塞がれた。
何故ならサミュエル王子が再び私にキスしてきたからだ。
サミュエル王子……。
私は王子の首に腕を回し……お母様から咳払いされるまで、サミュエル王子とキスをした――
****
「お母様、これからどうするのですか?」
キスシーンを見られて、ひとしきり大騒ぎをした私はようやく心を落ち着けると尋ねた。
「そうね……。無事、娘にも会えたことだし、そろそろここから出ようかしら?」
お母様は小首をかしげる。
「ええ、そうですっ! それでこそレイラ様ですっ!」
レベッカはパチパチと手を叩いた。
「でも、一体何処へ行くのですか? あ、言っておきますが私はどこまでもついてきますからね?」
ナージャさんは当然のように私に訴えてくる。
「レベッカ、君は俺の妻になる人だから当然、俺たちは一緒だよ?」
「サ、サミュエル王子……」
サミュエル王子は私の手に自分の手を絡ませてきた。
「勿論、私もですわ。私の居場所はレベッカ様とレイラ様の隣ですから」
「そ、そんなミラージュッ! 一緒にドラゴンの国へ帰らないのかいっ!?」
ミラージュの言葉にセネカさんはショックを受けている。
「ええ、勿論帰りませんっ!」
おおっ! ミラージュがきっぱり言い切った!
「そ、そんなぁ~‥…よ、よし……な、なら私も覚悟を決めたぞっ! 私ももうドラゴンの国へは戻らないっ! ミラージュ、お前の傍から離れないからなっ!」
「全く煩い人ですわね~……勝手になさって下さい」
肩をすくめるミラージュ。
「それではこの疑似空間はもう終わらせましょうか?とりあえず……まず目先の物を片付けなくてはね」
母の言葉に私は首を傾げた
「目先の物を片付ける……? 一体何のことですか?」
「あら? レベッカ忘れてしまったの? 彼らのことを」
「彼ら……? あっ!」
その瞬間、私は大事なことを思い出した――
結婚こそしたけれど、男の人と一度もキスすらしたことの無い私にとっては初めての経験だった。
あまりの出来事に身体が硬直してしまう。そんな私の緊張がサミュエル王子にも伝わったのだろうか?
そっと私から顔を離すと、サミュエル王子はじっと見つめてきた。
「レベッカ、もしかしてイヤだったかな……?」
「は、はいっ?! ま、まさかっ!」
ブンブン首を振って全否定する。
「本当に……? 無理して言ってるわけじゃないよね?」
サミュエル王子は私の両肩に手を置いたまま尋ねてきた。
「も……もちろんですっ! これがもし、本当にイヤだったなら……い、今頃天変地異がおこりますよっ!」
「ああ ?あの時グランダ王国が滅んだときみたいにかい?」
「はい、そうです」
「そうか……イヤじゃないってことは、もう一度してもいいってことかな?」
「は、はい。持ちろ……んっ」
次の瞬間、私の言葉は塞がれた。
何故ならサミュエル王子が再び私にキスしてきたからだ。
サミュエル王子……。
私は王子の首に腕を回し……お母様から咳払いされるまで、サミュエル王子とキスをした――
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「お母様、これからどうするのですか?」
キスシーンを見られて、ひとしきり大騒ぎをした私はようやく心を落ち着けると尋ねた。
「そうね……。無事、娘にも会えたことだし、そろそろここから出ようかしら?」
お母様は小首をかしげる。
「ええ、そうですっ! それでこそレイラ様ですっ!」
レベッカはパチパチと手を叩いた。
「でも、一体何処へ行くのですか? あ、言っておきますが私はどこまでもついてきますからね?」
ナージャさんは当然のように私に訴えてくる。
「レベッカ、君は俺の妻になる人だから当然、俺たちは一緒だよ?」
「サ、サミュエル王子……」
サミュエル王子は私の手に自分の手を絡ませてきた。
「勿論、私もですわ。私の居場所はレベッカ様とレイラ様の隣ですから」
「そ、そんなミラージュッ! 一緒にドラゴンの国へ帰らないのかいっ!?」
ミラージュの言葉にセネカさんはショックを受けている。
「ええ、勿論帰りませんっ!」
おおっ! ミラージュがきっぱり言い切った!
「そ、そんなぁ~‥…よ、よし……な、なら私も覚悟を決めたぞっ! 私ももうドラゴンの国へは戻らないっ! ミラージュ、お前の傍から離れないからなっ!」
「全く煩い人ですわね~……勝手になさって下さい」
肩をすくめるミラージュ。
「それではこの疑似空間はもう終わらせましょうか?とりあえず……まず目先の物を片付けなくてはね」
母の言葉に私は首を傾げた
「目先の物を片付ける……? 一体何のことですか?」
「あら? レベッカ忘れてしまったの? 彼らのことを」
「彼ら……? あっ!」
その瞬間、私は大事なことを思い出した――