魅惑の航空王は最愛の元妻を取り戻したい
夫婦未満のふたりは愛に惑う

 誠一さんと結ばれてから早四カ月、私たちは夫婦というより恋人同士のような甘い日々を過ごしている。

 彼がフライトに行くことがなくなったので家にいる時間が増え、一緒に食事できる日が多くなったしデートもしやすくなった。〝おはよう〟や〝いってらっしゃい〟の挨拶にキスが加わり、夜は情熱的に抱き合うようになった。

 バレンタインの今夜も私があげたチョコレートを食べた後、お返しのごとくベッドの上でたっぷり愛されている。絶頂を味わうという感覚もすっかり教え込まれて、ちょっと危ないかも、と思うくらい心も身体も彼の虜にさせられている。

 指と唇で一度達せられた後は、なにをされても敏感に感じてしまう。繋がって、激しく揺さぶられて、また高みに連れられていき背中をのけ反らせた。

 くたりと脱力して呼吸を整えながら、汗を滲ませる彼にギブアップを申し込む。

「待って、もぅ、無理……」
「無理? じゃあ優しくしようか。そのほうがつらいかもしれないが」

 含みのあるセクシーな笑みを浮かべる彼のひと言にぎくりとしたのもつかの間、繋がったままの彼がゆっくり動き出した。

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