魅惑の航空王は最愛の元妻を取り戻したい
 ゆるゆると気持ちいいところを擦られ、奥を突かれていないのにじわじわと快感が迫ってくる。

「あ、あっ……優しいのも、ダメ……!」

 もどかしくてなぜか泣きそうになる。涙目で訴えると、誠一さんは身を屈めて髪を撫で、愛しそうにキスをする。

「はぁ……ほんと可愛い。愛してるよ」

 甘すぎる声も相まって、私の中は彼をきゅうきゅうと締めつけた。結局また限界までいかされてしまって、優しいのに容赦がない愛に翻弄されてしまった。

 ひとしきり堪能した後、気怠い身体をベッドに横たえてまどろむ。抱き合うと時々意地悪になる誠一さんに、今夜も散々啼かされてしまった。明日も仕事なのに、使い物にならなくなったらどうしてくれようか。

 文句を言いたいのはヤマヤマだけれど、結局好きな気持ちが勝ってほだされちゃうのよね。惚れた弱みだなと内心苦笑していると、彼が思い出したように「ずっと言おうと思っていたんだが」と切り出す。

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