魅惑の航空王は最愛の元妻を取り戻したい
 誠一さんはやや瞳を細めて愛でるように私を見下ろし、腰から上へと身体のラインをなぞる。

 背中に触れるひんやりしたシーツ、それに相反した熱い視線と手のひら、落ち着く肌の匂い。五感すべてで彼を感じ、身体の奥がもどかしく疼く感覚を思い出した。

 あの頃と変わらず引き締まった肉体を露わにした彼は、耳にキスをして糖度高めな声で囁く。

「君の弱いところは全部覚えてる。変わっていないか、ひとつずつ確かめさせて」

 私の手が優しくシーツに縫いつけられると、無防備になった胸の頂を口に含まれて甘い痺れが走った。触られていない身体の中心部までもがじんじんして、蜜が溢れてくる。

 誠一さんは私の反応を窺うように時々目を合わせながら、本当に丁寧に愛撫をする。それがとてつもなく恥ずかしく、気持ちよくて、声を抑えなければいけないのにどうしても漏れてしまう。

 そうしてたっぷり感度を高められた中に彼を迎え入れた瞬間、強い快感が全身を駆け巡る。

「あ、やっ、あぁ……っ!」

 ほんの数回、ゆっくり奥を擦られただけで達してしまった。びくびくと身体を震わせる私に、誠一さんは悦に入った表情で「感じすぎ」と口角を上げる。

 休む間もなく腰を打ちつけられるので、涙目になって無意識に首を横に振るも、彼は止めてくれそうにない。

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