人を愛すということ
気付いたときは、小学5年生の頃だった。

担任は、初めての男の先生で緊張していた。

私には、2つ上の兄がいた。

兄の、その先生に対しての評価はあまりよく無かった、というのも緊張の理由にあった。

でも、その気持は打って変わって大丈夫だと思うようになった。

その気持は、いつか壊れることも知らずに。

体育の授業のことだった。

みんなに「窓を開けておいて」と言われ、私含めたみんなは先に体育館へと向かった。

私は、友達と一緒に行き最後の方に着いた。

体育館に入ると驚く光景が広がっていた。

みんなは、窓を閉め切ったまま体育で使うボールで違うことをしていたのだ。

それに気が付いた私と友達は急いで窓を開けているとクラスの男の子が手伝いに来てくれた。

みんなは、先生の言うことを聞いてなかったかのようにそのまま続けた。

そして、すぐに運悪く先生がやってきてしまった。

集まれと集合を掛けられた。

ちゃんと、先生は「窓開けた人」と聞いてきた。

でも、窓を開けた私含めた人達は手を挙げなかった。

いや、挙げられなかった。

怖かった。

私は、ヘタレだと思った。

私は、怖くて怖くて挙げられなかった。

先生は、ちゃんと私達が窓を開けている様子を見ていたはずだった。

でも、聞いてきた。

私は、聞かれて答えるのが苦手だった。

話すのが苦手で、発表とかも滅多にしない方だった。

自己紹介もわざわざ前日に考えて紙に書き出さないと上手く言えない。

そういう人だから。

誰も手を挙げない様子を見て、先生は怒った。

その声の大きさが私の心に大きなダメージを受けた。

それだけじゃない。

怒り終わってのことだった。

パンと手を叩き、こう言った。

「はい!切り替えていきましょう!」

そう言いながら、笑顔を浮かべた。

私は、そのアップダウンが怖かった。

それが怒られた時に、あった。

そのせいで、私は男性恐怖症になった。

そして、大きな音が怖くなり、雷も大音量も怖くなってパニックになった。

また、親の怒鳴り声を聞くと過呼吸になった。

Googleで調べると聴覚過敏とマッチした。

もしかしたら、私はそうなのかもしれない。

もともと、大きな音は苦手だった。

それは、1年経っても中々治らなかった。

男性の顔を見ると逃げたくなってしまう。

打上花火の音を近くで聞くのも難しかった。

今は、だいぶ緩和されてきたが少し残っている。

もう、こんな経験したくないと思った。
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