『異質のススメ』 他人と違っているから個性、変わっているから貴重。
 先見さんとの楽しい議論の余韻はいつまでも続いた。
 それは1週間経っても2週間経っても醒めなかった。
 もっと話がしたかった。
 先見さんとの議論を渇望していた。
 しかし、前回夕食をご馳走になって、遅くまで話し込んで、その上、すぐにまた伺いたいとは言いづらかった。
 じりじりと日にちだけが過ぎていった。
 
 そんなもどかしい思いが続いていた時、先見さんからメールが届いた。
『チェコの美味しいビールを入手したので飲みに来ませんか?』という誘いだった。
 ヤッター! 
 わたしはスマホを持って小躍りした。
 いくつか候補日が挙げられていたので、その中から7月2日を選んで返信した。

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