『異質のススメ』他人と違っているから個性、変わっているから貴重。
 その後、2つほど用事を済ませてから電車に乗って吉祥寺まで移動したが、約束の時間までは少し余裕があったので商店街のビルの中にある書店を覗いた。
 かなり大きな書店で、ネットで調べると100万冊ほどの在庫があるという。
 なのでゆっくりと見て回りたかったが、そうもいかないので今日はビジネス書のコーナーに直行することにした。

 売場で目に付いたのがコロナ関連の本だった。
 パンデミックの時代にどう対応するかという内容のものが多いようだ。
 その他には啓発関係や教養を促すもの、年収を何倍にもする方法、働き方改革、人生の生き方、などの本も数多く並んでいた。
 その中に、カーネギーの『人を動かす』という本が混じっていた。
 もう80年以上前に書かれた本なのにまだ読まれていると思うとちょっと感動した。
 帯に《日本で500万部突破の歴史的ベストセラー》と書いてある。
 人間関係に関する本だが、いつの時代も人間関係に悩む人が多いのだろう。
 ギクシャクした時代が続く限り、これからも売れ続けていくのは間違いなさそうだ。
 
 その本を棚に戻して小説のコーナーへ移動すると、多くの本が平積みされており、直木賞受賞作、芥川賞受賞作、本屋大賞受賞作などに交じってシリーズ物も数多く並んでいた。
 中には累計150万部突破と帯に書かれたものもある。
 知らない作家だったが、結構売れているんだなと感心した。
 本が売れなくなったということがよく言われるが、平日にもかかわらずお客さんは多いし、店頭には新刊本が溢れているし、出版不況という感じはまったくしない。
 でも、活字離れが続いているのは事実だろうから、そのあたりのことは先見さんに訊いてみようと思いながら店をあとにした。

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