スイーツ🍰ラブ〜幼馴染からのプロポーズ!?実は溺愛されてました〜
2・あと30分の誕生日
どうやら、予約していないお客様のようだ。
「も、申し訳ありません、たった今完売しまして……」
今日はカットケーキもすべて売り切れてしまった。
「そんな……。ばあちゃんが、ここのケーキ、好きで……」
男の子はがっくりと肩を落としたと思うと、私が作業台に置いたケーキを見て目を瞬かせる。
「そのケーキは!?」
「あっ、こ、これは……。クリスマスケーキじゃないんです」
「なんでもいいです! 売ってください!」
男の子は、すごい迫力で頼んでくる。
どうしよう、お父さんがせっかく作ってくれたケーキなのに……。
それに、売り物として出してるケーキじゃないから値段もついていない。
圭ちゃんと一緒に困っていると、厨房からお父さんがやってきた。
「売って差し上げなさい、祥子」