一度は諦めた恋なのに、エリート警視とお見合いで再会!?~最愛妻になるなんて想定外です~
引っ越し前の準備で二度ほど訪ねているので、駅までの道くらいなら分るが、病院や商店街などは、落ち着いてから散歩がてら確認するつもりだ。
彼の部屋はマンション最上階の三階の角部屋。間取りはふたり暮らしには余裕がある3LDKで、彩乃の個室として与えられたのは、リビングから続く八畳の洋室だった。
南側に窓があり明るい陽射しが贅沢に差し込む気持ちがいい部屋だ。
蒼士の部屋は玄関近くの北側で、彩乃の部屋よりはトーンが暗い印象がある。部屋割を聞いたとき、自分の方が良い部屋を使っていいのか気になったが、部屋割には合理的な理由があった。
『俺は仕事の状況によって深夜帰宅の日もあるし、早朝に急に出る場合もある。出入りするのに玄関近くの方がいいんだ』
それならと、遠慮なく使わせて貰うことにした。
いずれは同室にするかもしれないけれど、今のふたりの距離感だと、彩乃は個室が丁度よいと感じている。蒼士も同様の考えだからその辺は揉めずにすんなり決まった。
実家から運び出した荷物は事前に運び込まれていて、家具は希望していた通りに配置されていた。
あとは段ボールに詰められている洋服などを仕舞うだけだ。実家で断捨離をして来たので、引っ越しと言ってもそれ程時間はかからない。
それよりも蒼士がいるうちに、買い物に行った方がいいかもしれない。
「蒼士さん、よかったら買い物に行きませんか?」
彩乃はリビングに居た蒼士に声をかける。
「ああ。ついでに食事もして来よう。歩きと車どっちがいい?」
「道を覚えたいから歩きがいいです」
「分かった」
すぐに準備をして出発する。
マンションと駅の間は彩乃の足で七分程。駅周辺には大きなスーパーや病院、図書館など暮らしに必要な施設が揃っていた。マンションから駅とは反対方向に向かうと、昔ながらの商店街があるとのこと。
買い物をする前に、個人経営のカフェで昼食をとることにした。
苺を使ったスイーツが一部界隈で有名な店だそうだが、苺が旬ではない今は、それ程混雑しておらず、スムーズに席に着くことが出来た。
ランチメニューのリゾットとアイスコーヒーを注文すると、手持ち無沙汰になった。
こういう何もやることがない時間が訪れると、少し落ち着かない気持ちになる。
何かを話さなくてはと、いろいろ気を回してしまうのだ。
彼の部屋はマンション最上階の三階の角部屋。間取りはふたり暮らしには余裕がある3LDKで、彩乃の個室として与えられたのは、リビングから続く八畳の洋室だった。
南側に窓があり明るい陽射しが贅沢に差し込む気持ちがいい部屋だ。
蒼士の部屋は玄関近くの北側で、彩乃の部屋よりはトーンが暗い印象がある。部屋割を聞いたとき、自分の方が良い部屋を使っていいのか気になったが、部屋割には合理的な理由があった。
『俺は仕事の状況によって深夜帰宅の日もあるし、早朝に急に出る場合もある。出入りするのに玄関近くの方がいいんだ』
それならと、遠慮なく使わせて貰うことにした。
いずれは同室にするかもしれないけれど、今のふたりの距離感だと、彩乃は個室が丁度よいと感じている。蒼士も同様の考えだからその辺は揉めずにすんなり決まった。
実家から運び出した荷物は事前に運び込まれていて、家具は希望していた通りに配置されていた。
あとは段ボールに詰められている洋服などを仕舞うだけだ。実家で断捨離をして来たので、引っ越しと言ってもそれ程時間はかからない。
それよりも蒼士がいるうちに、買い物に行った方がいいかもしれない。
「蒼士さん、よかったら買い物に行きませんか?」
彩乃はリビングに居た蒼士に声をかける。
「ああ。ついでに食事もして来よう。歩きと車どっちがいい?」
「道を覚えたいから歩きがいいです」
「分かった」
すぐに準備をして出発する。
マンションと駅の間は彩乃の足で七分程。駅周辺には大きなスーパーや病院、図書館など暮らしに必要な施設が揃っていた。マンションから駅とは反対方向に向かうと、昔ながらの商店街があるとのこと。
買い物をする前に、個人経営のカフェで昼食をとることにした。
苺を使ったスイーツが一部界隈で有名な店だそうだが、苺が旬ではない今は、それ程混雑しておらず、スムーズに席に着くことが出来た。
ランチメニューのリゾットとアイスコーヒーを注文すると、手持ち無沙汰になった。
こういう何もやることがない時間が訪れると、少し落ち着かない気持ちになる。
何かを話さなくてはと、いろいろ気を回してしまうのだ。