一度は諦めた恋なのに、エリート警視とお見合いで再会!?~最愛妻になるなんて想定外です~
「ううん。母に送ったの。今実家に戻ってるから」
「えっ、なんで!? 新婚なのに」
夏美が大袈裟なくらい驚いた反応を見せる。
「そうなんだけど、事情が有って別居を言われちゃってね......」
夏美に説明しながら移動し、レストランに入る。
何度も来ている店だからメニューも大して迷わないでオーダーできる。夏美は食事よりも彩乃の話が気になるようだった。
食前に届いたクラフトビールを一気に飲み、彩乃に迫る。
「さっきの話、詳しく話してよ」
まるで取り調べ官のようだ。
(蒼士さんも取り調べするのかな......)
そんなことを考えながら、彩乃はありのままを説明した。
夫から同居早々に実家に帰ってくれと言われるのは言い辛いことだけれど、夏美には、これまで仕事の失敗も蒼士への想いも何でも打ち明けてきた。
ただ、両親と血が繋がっていないことだけは話していない。
知っているのは当事者以外では蒼士だけなのだ。それくらい特別な人なのに......。
夏美に話し終えた彩乃は大きなため息を吐いた。
「というわけで、別居になってからもう一カ月も経っているんだ」
「うーん。彩乃は突然別居になったって思ってるけど、実はその前から予兆があったてことはないの?」
「分からない......私は仲良くしているつもりだったから」
夏美が腕を組み、首を傾げた。
「それなら蒼士さんが言う通り、本当に仕事が忙しいんじゃない?」
「そうなのかもしれないけど心配なんだ。任務で危険な目に遭ってるかもしれないのに、私は側に居られないし、何も知ることができないから」
「彩乃の気持ちは分かるけど、仕方ないよね。うちの先生だって依頼内容は家族にも秘密にしているし、そういう仕事なんだからって諦めるしかないよ」
夏美がドライに言った。彼女は彩乃よりもこういう切り替えが上手い。
「そうだよね......」
「離婚しようって言われている訳じゃないんだから、あまりくよくよしない方がいいよ。悪い方に考えてもいいことなんてないんだから。ほら彩乃の好きなモッツアレラのパスタだよ、食べな」
夏美が取り皿にパスタを山盛りに乗せて彩乃に渡す。
「ありがとう」
サラダやフォアグラなど届いた料理を少しずつ取り分けて口に運ぶ。
あまり食欲がないと思っていたけれど、食べてみると意外に入る。
「えっ、なんで!? 新婚なのに」
夏美が大袈裟なくらい驚いた反応を見せる。
「そうなんだけど、事情が有って別居を言われちゃってね......」
夏美に説明しながら移動し、レストランに入る。
何度も来ている店だからメニューも大して迷わないでオーダーできる。夏美は食事よりも彩乃の話が気になるようだった。
食前に届いたクラフトビールを一気に飲み、彩乃に迫る。
「さっきの話、詳しく話してよ」
まるで取り調べ官のようだ。
(蒼士さんも取り調べするのかな......)
そんなことを考えながら、彩乃はありのままを説明した。
夫から同居早々に実家に帰ってくれと言われるのは言い辛いことだけれど、夏美には、これまで仕事の失敗も蒼士への想いも何でも打ち明けてきた。
ただ、両親と血が繋がっていないことだけは話していない。
知っているのは当事者以外では蒼士だけなのだ。それくらい特別な人なのに......。
夏美に話し終えた彩乃は大きなため息を吐いた。
「というわけで、別居になってからもう一カ月も経っているんだ」
「うーん。彩乃は突然別居になったって思ってるけど、実はその前から予兆があったてことはないの?」
「分からない......私は仲良くしているつもりだったから」
夏美が腕を組み、首を傾げた。
「それなら蒼士さんが言う通り、本当に仕事が忙しいんじゃない?」
「そうなのかもしれないけど心配なんだ。任務で危険な目に遭ってるかもしれないのに、私は側に居られないし、何も知ることができないから」
「彩乃の気持ちは分かるけど、仕方ないよね。うちの先生だって依頼内容は家族にも秘密にしているし、そういう仕事なんだからって諦めるしかないよ」
夏美がドライに言った。彼女は彩乃よりもこういう切り替えが上手い。
「そうだよね......」
「離婚しようって言われている訳じゃないんだから、あまりくよくよしない方がいいよ。悪い方に考えてもいいことなんてないんだから。ほら彩乃の好きなモッツアレラのパスタだよ、食べな」
夏美が取り皿にパスタを山盛りに乗せて彩乃に渡す。
「ありがとう」
サラダやフォアグラなど届いた料理を少しずつ取り分けて口に運ぶ。
あまり食欲がないと思っていたけれど、食べてみると意外に入る。