愛。
はぁ?なんだこいつとつい思ってしまった。
私はもしかして『なんで泣いてたの?』なんて言葉をかけてくれると勝手に妄想していたから、きっと今相当あほな顔をしていたと思う。


それで、我に返って『あっ!ごめん。』と言って、すぐに退けた。

そいつはロッカーをごそごそいじって、帰って行ってしまった。

なんだか、いろんなことに頭がついていけなくて、今起きた数秒のことに頭の中がぐしゃぐしゃになっていた。

とりあえず、頭の中を整理しようと思って、まず今の男の子は誰だったんだろう?と思い、さっきその男の子がいじっていたロッカーの名札を見て驚いた。

あの地味でガリ勉で学年一位とかとっちゃってる黒田蓮だった。


アイツ、あんなかこよかったっけ!?
眼鏡もなかったし、髪の毛もいつものボサボサじゃなくて綺麗に撫で付けられていた。


いくら考えても分からなかったので、明日また学校で会ったら、聞いてみようと思った。

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