屋上にて、君へ
あっ、そうだ!


あたしは生徒手帳をパラリとめくった。

そしてハートマークで囲った時間割表をチェック。

「やっぱり! 今日は体育だ」

そうそう、ちなみに今チェックしてる時間割はあたしのクラスのじゃあありません。



『あの人』のクラスの時間割なのです(いろんな裏ルートを使って入手)。

三年の……


実はね、名前まだ知らなかったり。

一目惚れだったから。

唯一知ってる事は、軽音部の三年生、『ギター王子』という愛称でよつ高の女子――いや、隣の隣の隣の高校の女子達にまで愛されている、素晴らしく競争率の高い人だという事。


あたしは女の先輩とかが恐いから表立って“好き”をアピールしてない。こうやって遠くから眺めてるくらいがちょうどいいんだ。



えっ?
ストーカーまがいだって?

でもでも

恋する乙女は何をしても許されるって、イオルちゃんが歌ってたもん。

あっ!王子発見!


得点係かぁ~王子確か球技は苦手って言ってたっけ(女子の立ち話で知った)。



へへっ、カッコイいなぁギター王子。



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