極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「この前のパーティーは本当に驚いたな」
「そうですね、出会ったときと同じ海で再会なんて」
「図書館で会ったときも、かなりびっくりだったけど」
運命的な再会に心を揺らしたのは、たぶん香奈だけ。海里は、そんなこともあるのかと純粋に衝撃を受けただけだろう。
「それに母のイヤリングを見つけたのが、まさか香奈だったとはね」
「ほんとに。海里さんのお母様だなんて思いもしませんでした」
それも香奈のように大事なものを落として困っていたとは。
「俺たちはイヤリングで繋がっているのかもしれないな」
運命的な意味に聞こえて頬が熱くなる。
べつに深い意味はないと自分に言い聞かせて鼓動を宥めようとするが、香奈自身もそう感じたためうまくいかない。
「あの図書館もしばらく行ってないが変わりはないか?」
「変わりません。あの頃のまま静かにあそこにあります」