極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 香奈のマンションの部屋に、食欲をそそるいい匂いが立ち込める。
 妹の深優が完成したエビピラフとコンソメスープを器に盛り、香奈はそれらをテーブルにいそいそと運んだ。

 海里とのお見合いから三日経過していた。

 帰りの車で、両親は『素敵な人だった』と彼を大絶賛。これ以上ない婿だと、終始ご満悦だった。
 あの席でまたもやまたもや香奈は、海里と連絡先を交換しそびれている。切りだすタイミングが掴めず、そのまま散会となってしまった。

 缶ビールをグラスに注ぎ、揃って傾ける。


 「それじゃ早速、いただきます」


 スプーンを持ち、香奈は出来立てのエビピラフを口に運んだ。


 「んんっ、おいしい~」


 ぷりっとしたエビの歯ごたえも塩加減も抜群だ。


 「さすが深優。なにを作ってもプロ級ね」


 深優は料理上手である。
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