極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
(私と結婚したいからお見合いをしたって、どういう意味なんだろう。その言葉だけ聞いたら〝好き〟ってことになるけど、絶対違うだろうし)
再会後に何度か会ううちに好意を持ってくれるようになったのなら、わからなくもない。でも香奈たちはパーティー再会した一度きりしか会わなかった。一度振った相手を好きになるのには不十分だろう。
「あまり難しく考えなくてもいいんじゃないかな。おねえちゃん、海里さんのこと今も好きでしょう?」
深優の言葉で口の中からピラフを吹きそうになった。
慌てて飲み込み、ビールで喉の奥へ流す。
「や、やだ、どうして。そんなことないから」
急いで否定したが、声はおかしなほど裏返った。
「ふふっ、おねえちゃん、わかりやすい」
香奈の反応を面白がって、深優が笑う。
嘘をついたつもりはないが真っすぐに見つめ返せず、意思に反して鼓動が速まっていく。
「ほんとに違うの」
「とか言いつつ、顔が真っ赤だよ? おねえちゃん、かわいい」