極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
正午になるのを待ちカフェに向かった香奈は、窓際のテーブルにいる柚葉を見つけた。
大きく開放的な窓から見える公園は、夏を前に木々が青々とした葉をつけ、目にも爽やかな彩を見せている。
通りがかった店員にアイスジャスミンティーを注文し、彼女のもとへ向かう。
「お待たせしました」
声をかけると、柚葉は香奈に顔を向けて静かに微笑んだ。
「忙しいのに突然ごめんなさいね」
「いえ。……図書館に用事があってここへ?」
「ええ、まあ」
曖昧に答える様子から、そうではないのだと見当がついた。
ジャスミンティーのグラスが置かれ、店員が立ち去る。
「香奈ちゃんもジャスミン? 私も」
柚葉は自分のグラスを持ち上げ優雅な笑みを浮かべた。