極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 「それで、どうなの?」
 「結婚というか……お見合いはしました」
 「結婚は? しないの?」


 柚葉はほんの少しだけテーブルに身を乗り出した。


 「お返事はまだしていないんです。でも両親はとても乗り気で」
 「香奈ちゃんは迷ってるの?」


 柚葉がさらに顔を近づける。どんな答えを待っているのか、揺れる瞳からは読み取れない。


 「……私、海里さんは柚葉さんと結婚すると思っていたので」


 香奈をじっと見つめていた柚葉は、パチッと目を瞬かせた。意外なことを言われたといった表情だ。


 「お付き合いされていましたよね?」


 香奈は知らないと思っていたのかもしれない。


 「えっ? あ、うん。……じつはプロポーズもされていたんだけど」
< 117 / 292 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop