極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「それで、どうなの?」
「結婚というか……お見合いはしました」
「結婚は? しないの?」
柚葉はほんの少しだけテーブルに身を乗り出した。
「お返事はまだしていないんです。でも両親はとても乗り気で」
「香奈ちゃんは迷ってるの?」
柚葉がさらに顔を近づける。どんな答えを待っているのか、揺れる瞳からは読み取れない。
「……私、海里さんは柚葉さんと結婚すると思っていたので」
香奈をじっと見つめていた柚葉は、パチッと目を瞬かせた。意外なことを言われたといった表情だ。
「お付き合いされていましたよね?」
香奈は知らないと思っていたのかもしれない。
「えっ? あ、うん。……じつはプロポーズもされていたんだけど」