極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「パーティーに出席している令嬢なら、父親におねだりして買ってもらうだろうと穿った見方で嫌味を言った。カッコ悪いな。本当にごめん」
高圧的な態度を突然改め、男性も素直に謝罪する。最初の印象とは正反対、相手はあっさり引き下がった。
拍子抜けして、今度は香奈の目が点になる。
「あ、いえ……」
なんとも言えない空気になり居心地が悪い。
「……では失礼します」
今度こそ退散しようと、会釈してその場を離れようとしたが――
「大事なものなんだろう? 俺も探すよ」
男性は捜索に加わると申し出てきた。
(あんな言い合いのあとでそんな言葉が出てくるもの?)
香奈は大きな目をぱちっとさせた。