極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
盗み見た彼の横顔に照れが浮かぶ。
「次はきっと楽しめるはずだ。行こう」
「えっ、これからまだどこかへ行くんですか?」
海里は内緒と言わんばかりに満面の笑みを浮かべ、戸惑う香奈を再び車に乗せた。ハンドルを握る顔はかなり楽しそうだ。
「ね、海里さん、どこに行くの?」
「心配するな、いかがわしい場所に連れていくわけじゃない」
腕時計で時間を確認しつつ、にっこり笑う。
〝いかがわしい〟から連想して、勝手に顔を熱くする自分が恥ずかしい。
(私ってば、なにを……!)
「それとも、そういう場所をお望みか?」
「ちっ、違います」
ちらっと投げかけられた目が笑っている。
頬を手でパタパタ仰いで火照りを冷ましていると、車はテーマパークの駐車場に入っていった。
「えっ、この時間からここ?」
「少しだけ付き合ってくれ」