極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「それですー!!」
思わず大声で答えた。
サラサラの白い砂に足を取られながら、やっとの思いで彼の前に立つ。男性は香奈の左耳に残っているイヤリングと見比べ、拾ったそれを差し出してきた。
「ありがとうございました! 見つからなかったらどうしようかと思って。本当によかった」
両手で受け止め、息を弾ませながら頭を下げる。胸を押さえて呼吸を整えた。
「どこにありましたか?」
「そこ」
男性はデッキチェアーの下を指差した。
「えっ、さっき見たんだけどな」
その下なら、いの一番に探した場所だ。
「視界に入っているのに見えないのはよくあることだ。気が動転していたんだろう」