極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
同じ週の日曜日の午後、公休の香奈は自宅マンションで落ち着きなくそわそわとしていた。
昨夜、海里から連絡があり、ここへ来るというのだ。
とりあえず朝から念入りに部屋中の掃除をし、近くのフラワーショップで買ってきた花も飾った。
できるだけのことは済ませたが、父親以外の男性を部屋に呼ぶのは初めてのため緊張が半端ない。しかも、相手はあの海里だ。
「おかしなところはないかな。大丈夫かな」
あらゆる角度から部屋を眺めて最終確認をしていた香奈は、インターフォンの音で心臓が飛び跳ねた。
「来た」
一瞬だけ体中の細胞が停止した感覚がする。飛びつくように応答した。
「は、はいっ」
声が裏返ったため、モニターに映った海里がくくっと肩を揺らす。