極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 そのうえ容姿端麗で大富豪とくれば、誰も海里には敵わないだろう。持って生まれた容姿はまだしも、仕事で掴んだ栄光も料理上手なのも、すべて彼の努力によるもの。そんな男性からプロポーズされているのが不思議でならない。


 「よし、出来たぞ」


 その声を聞き、香奈は立ち上がって食器棚から皿を出した。
 海里によって丁寧に盛りつけられた料理を見て、思わずため息が漏れる。


 「いい匂い。おいしそう」
 「おいしそうじゃなくて、おいしいはずだ」
 「そうですよね」


 自信たっぷりに言うのだから間違いないだろう。


 「エビのクリームパスタ?」
 「トマトも入ってるから、エビのトマトクリームパスタかな」


 上からかけられたパセリの青で、彩も抜群だ。
 ダイニングテーブルに運び、向かい合って座る。


 「ランチにしては遅い時間だし、ディナーにしては早いからラディナーってところだな」
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