極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです～私、振られたはずですよね？

　「ラディナー？　ブランチみたいな造語ですか？」
　「ああ。そんな言葉があってもいいよな」
　「そうですね。早速食べてもいいですか？」


　笑い合いながらフォークを掴むと、海里は手で〝どうぞ〟と勧めた。


　「いただきます」


　フォークで巻き取り口へ運ぶ。


　「んっ、おいしい！」


　濃厚なクリームとぷりっとしたエビの相性が抜群だ。塩加減もスパゲッティの茹で具合もちょうどいい。


　「香奈の舌を満足させられたようだな」


　海里の口角が得意げに上がる。

　「大満足です。でもどうして料理をするようになったんですか？　海里さんならシェフだって雇えるのに」
　「昔からなんでも興味を持つタイプだったからね。この味はどうやったら出せるんだ？って疑問に思ったら、なんでも作ってみたくなる。で、気づいたらこうなってた」