極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「それにしても、日本にはずいぶんと長い滞在だったね。本気で忘れられたんじゃないかと思ったよ」
「忘れるもなにも、一昨日、ウェブで打ち合わせしたばかりだろ」
それ以前もウェブミーティングなら折に触れ開いており、放っておいたわけではない。
海里がふっと鼻から息を漏らして軽くいなすと、ミナトはこの世の終わりとでも言わんばかりの表情をした。
「長い付き合いなんだから、言葉の裏を読んで〝あぁ寂しかったんだな〟って察してくれてもいいじゃないか」
再び抱きついてくる気配を察知し、ソファに逃げる。海里は腰を下ろして、長い足をゆったりと組んだ。
少し不満そうだが、ミナトも向かいのソファに座る。
「昨夜のライブコマースの成果から聞かせてくれ」
「久しぶりに会ったっていうのに早速仕事の話かぁ。ま、いいや。その代わり、あとでちゃんと土産話も聞かせてよ? 八雲CEO」
最後には敬意を込めて海里の名を呼び、仕事モードにシフト。ノートパソコンを開いて海里のほうに向ける。