極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 「いかがです? 満足のいく出来だったでしょうか?」
 「株価の結果がすべて。さすがミナトだ」
 「お褒めに預かり光栄です」


 ミナトは仰々しく胸に手をあて、ノートパソコンを閉じた。


 「仕事の話はここまで。さて、次は海里の番だね。この四カ月、日本ではなにを? 久しぶりに帰国して郷愁に浸りきってた?」
 「お見合いをしてた」
 「へえ、お見合いね。……って、お見合い!?」


 海里がさらっと報告すると、ミナトはテーブルに両手を突いて身を乗り出してきた。これ以上ないほど目を見開く。


 「なんでまたお見合いなんて。両親に強引に仕組まれた?」
 「いや」
 「それじゃ業務拡大のため? いや、YAGUMOにそんな手段は不要だよね。じゃあなに、ゲームみたいなものとか?」


 ミナトはさらに顔を近づけ、海里の両目を交互に凝視する。
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