極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「俺から申し入れた」
「海里から!?」
今度は声が裏返った。
「そうまでして、がっちり囲い込みたいほどの女性と出会ったのか?」
「まぁそうだな」
四の五の言っている余裕はなかった。とにかく先手を打ちたかったのだ。
「でも海里ほどの男なら、ストレートに口説けばモノにできるだろう?」
「買い被りすぎだ」
「そんなことないよ。事実、うちの女性たちはみんな海里に夢中じゃないか」
ミナトは指折り替え添え、アミューズの女子社員の名前を上げ連ねる。自分の手だけでは足らず、海里の指まで貸せとねだる始末だ。
「で、お相手の返事は? まぁ即日オッケーだろうけど」
「それが、なかなか手こずった」
「ええっ? 海里を手こずらせるって、いったいどんな女性なんだよ」