極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 ミナトは首を横に振り、両手を軽く上げて肩を竦めた。信じられないといった様子だ。


 「手を変え品を変えプレゼンして、ようやくオッケーをもらったばかりだ」
 「プレゼンって。海里らしい~」


 アメリカのIT企業を渡り歩いていた頃、自分を売り込むために様々なプレゼンをしてきた。ミナトと出会ったのもその頃だ。


 「だけど海里が結婚かぁ。仕事ひと筋で女の子に興味なんてなさそうだったから、一生独身だと思ってたんだけど」


 海里自身も、そう考えていたはずだった。仕事さえあればいいと。――香奈と再会するまでは。


 「だけど、ちょっと待てよ。結婚したらどこに住むの?」
 「彼女も仕事があるから、本拠地は日本になるだろうな」


 せっかく夢を叶えた彼女から、司書の仕事を奪いたくない。


 「それじゃ、ニューヨークのマンションは? っていうか、アミュゼは?」
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