極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「アミュゼはこのまま。世界中どこにいたって、いくらでも仕事はできるだろう? それにアミュゼにはミナトがいる」
「まぁそれはそうだけど」
リモートワークが主流となった今、出社にこだわる必要はない。それに実務実行部隊のトップであるミナトがいれば、業務にもなんら支障はないだろう。
アミュゼの本社はニューヨークだが、YAGUMOホールディングス傘下の不動産や開発などの関連企業の機能は一部、すでに日本に移している。今後も世界各地を飛び回ることになるが、生活の土台は日本になるだろう。
「マンションも引き払わずに残しておくつもりだ」
ニューヨークだけでなく、各地に点在する住まいも残す予定である。
「そうか。かなり寂しいけど、俺も男だ。海里が幸せになるっていうのなら喜んで送り出すよ」
「サンキュ」
「さてと、俺はそろそろ帰ろうかな。今度、海里の心を奪った女の子に会わせてよ」
「機会があればな。お疲れ。気をつけて帰れよ」
ミナトはノートパソコンを抱えて立ち上がり、手をひらりと振って出ていった。