極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
自分の唇に人差し指をあて、海里は〝しー〟という仕草で微笑んだ。
「どうしてここへ?」
小声で言いなおして彼を見上げる。
「どうもこうも香奈に会いにきたんだ。久しぶりだな」
「はい。改めて、おかえりなさい」
「ただいま」
もやもやしていた心が、海里の顔を見ただけで軽くなっていく。
(ひとりで悩んでいてもはじまらないのよね。顔を合わせるってやっぱり大事だな)
すっきり晴れやかとはいかないが、少なくともコーヒーショップでふたりを見たときの落ち込み具合とは全然違う。
話しづらいため海里の腕を掴み、特設会場から連れ出す。
「いい写真が集まったな」
「みんなプロ?って疑うくらい素敵なんです」
自分が撮影したわけでもないのに誇らしくなる。