極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
唐突に海外に、それもプライベートジェットを使って連れてくるというセレブっぽいやり方を言っているのだろう。
「嫌がってなんて全然。純粋にうれしいです」
海里の心に柚葉がいるのはわかっている。彼女を忘れようと必死になっているのも。
でも、その事実に胸が痛くなる以上に、海里の言動は香奈を喜ばせるにはあまりある。
テーマパークの貸し切りも手料理も、そして今回の香港も、海里の精一杯の真摯な気持ちだろうから。
「連れてきてくれてありがとうございます、海里さん」
隣の彼を笑顔で見上げた。
「そんな顔はよせ。キスしたくなる」
「なっ……」
真顔で言われ、鼓動が大きく跳ねる。
「こ、この前はそんなこと言うより早くキスしたくせに」