極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?

 大富豪と呼ばれる人の生活レベルは、香奈の想像の遥か上をいく。香奈も一応は社長令嬢だが、海外どころか国内にも別宅はないし、プライベートジェットももちろん持っていない。


 「やっぱり結婚しないとか言いだすなよ?」


 香奈の気持ちを先読みして、海里が牽制する。


 「言いません。もう決めたことですから」
 「それじゃ帰国したら婚姻届を出そうか」
 「婚姻届……。そうですね」


 海里が誰を好きだろうと、香奈は大好きな海里のそばにいられればいい。
 彼の横顔を見つめ、強く頷いた。
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