極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
「それは自然形といって、自然界にある樹木なんかをヒントに作られている」
「そうなんだ。とっても素敵」
手に取ったそれを様々な角度から見ていると、女性の店員が近づいてきた。
「ニーハオ」
声をかけられ会釈で返すと、彼女の口からマシンガンのごとく中国語が飛び出す。
(えっ、ちょっと待って……!)
おそらく茶器の説明だろうが、中国語はさっぱりわからない。
(海里さんはどうだろう)
助けを求めるつもりでチラッと横目で見たそのとき、海里は店員に流暢な中国語で返しはじめた。
(海里さん、中国語が話せるの!?)
驚いて目をまたたかせる。
アメリカ生活が長かったから英語を話せるのは知っていたが、中国語まで話せるとは。
よくよく考えれば、海里はいろんな国に拠点を持っている。もしかしたら、ほかの言語も話せるのかもしれない。