極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
〝私もこんなふうになりたい〟と思ったのがきっかけだった。
小中学生のときは学校が終わると図書館へ直行。そこで開催される企画や展示の手伝いをさせてもらうこともあった。
みんなで知恵を出し合って、たくさんの人に読んでもらうための方法を模索する姿がカッコよかった。
高校生の現在も、勉強する場として通っている。あの静けさがたまらなく好きなのだ。
「キミもちゃんとした目標があるじゃないか」
「でも父があまりいい顔をしなくて。いい結婚相手を見つけて、早く結婚してほしいらしいんです。妹がいるんですけど、ふたりとも娘だからお婿さんに期待してて。でも私はしっかり働いて自立したいんです」
「わかる。学生のうちは仕方ないにしても、親に頼らず自分で決めた自分だけの道を歩きたい」
「そうなんです。八雲さんに共感してもらえてうれしい」
思わず自分の手を胸の前で握りしめて喜ぶ。鼓動が弾むのは、ほかの人とでは生まれなかった共通感覚を海里との間に覚えたせいか。
「キミならきっとなれる」
「ほんとですか? なんか八雲さんにそう言ってもらえると自信が沸いてきます」