極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
父が先導し、店員に案内された奥の部屋にはソファセットがあった。
正一の向かいに香奈と並んで腰を下ろす。
「香奈さんをイメージしてデザインしてみたんだ。どうだろうか」
正一はジュエリートレーを差し出した。
指輪の腕は美しいカーブを描き、台座には繊細なカッティングが施された大粒のダイヤモンドが輝いている。
「……私だけのデザイン?」
「海里にお願いされたものだが、最初から海里のお相手には私が一点もので作りたいと思っていたんだよ」
正一は穏やかな笑みを浮かべ、香奈を見た。
「うれしすぎて……。海里さんがさっき『世界にひとつしかない』って言ったのは、こういう意味だったんですか?」
潤んだ瞳で問われ、軽く頷く。同じデザインの指輪は存在しない。
「お義父様も海里さんも、本当にありがとうございます」