極上CEOの執愛に今にも陥落しそうです~私、振られたはずですよね?
香奈は目に涙を浮かべながら笑みを浮かべた。
「サイズはどうだろう。お直しが必要でなければ、このまま持ち帰れるが」
「香奈、試してみて」
海里が促すと、香奈は恐る恐る指輪を手に取った。少し震えている指先がかわいい。
左手の薬指に滑らせ……。
「ぴったり」
香奈は海里を見て、それから正一を見た。うれしそうだ。
「それはよかった」
「父さん、刻印は?」
「それも完璧だ。中にふたりのイニシャルと今日の日付を彫ってある」
正一は自信満々に胸を張った。